虐待死の多くは防ぐことが可能だったものが多い。前々から危ない家庭だというマークがされている場合が多いのだ。それなのになぜ殺人を止めることが出来ないのか、肝は強すぎる親権にある? オススメ記事 こんばんは、都議会議員(北区選出)のおときた駿です。 昨日の一般質問に関しては、かがやけTokyoの同僚議員である上田令子都議の質問が数多くのメディアで取り上げられておりました。 「児相と警視庁で情報共有を」 目黒女児死亡事件を受け 都側はこれまでの取り組み強調 http://www.sankei.com/affairs/news/180305/afr1803050044-n1.html つい先日、都内で5歳の女の子が養父からの暴力により虐待死するという痛ましい事件が起きました。 「パパに蹴られた」2度の一時保護後も通報 5歳死亡:朝日新聞デジタル https://www.asahi.com/articles/ASL353J62L35UTIL014.html もちろん児童相談所も専門家などが多角的に検証し、一時保護後に「家庭に復帰させる」という選択をしたのだと思いますが、残念ながら今回はその判断が誤りだったと指摘せざるを得ません。 また、直近で家庭訪問をしていたにもかかわらず、「不在」ということで充分な対応ができなかった都児相側にも課題が残ります。 児童相談所のキャパオーバーが続く現状の中、こうした事案を防ぐために打てる手が「児童相談所と警視庁の全件情報共有」です。 上田都議が質疑において指摘したように、現在東京都では、虐待案件のすべてを児童相談所と警視庁が共有していません。 児童相談所から警視庁に共有されるのは、児童相談所が「必要(重要)だと判断した案件」のみに留まっています。 しかしながら、直近の事案でもわかる通り、児童相談所の専門家もミスを犯します。 「重要」だという判断を誤れば、警視庁が知らないままにまた虐待死に到る事案の発生を許してしまうかもしれません。 ■ 茨城県 児相で対応の児童虐待案件 全てを県警に提供へ https://mainichi.jp/articles/20171215/k00/00m/040/081000c すでに茨城県などでは、児童相談所と県警で全件情報共有が行なわれています。 今回の答弁では、知事が「地域の関係機関と一層の連携を深めていく」と前向きな姿勢を述べたものの、全件情報共有の実施までは踏み込みませんでした。 また駒崎弘樹さんが指摘するように、わが国では親権が非常に強く、どうしても子どもの命や人権よりも親側への配慮が優先されがちです。 真の「チルドレンファースト」を実現するためには、児童相談所のこうした傾向・体質も改めていく必要があります。 時に親権の停止などの法的措置に踏み込むために、児童相談所に常勤弁護士を設置することも急務でしょう。 過去記事: 福祉職の弱点をサポートし、子どもの権利を保障。児童相談所に常勤の弁護士を! http://otokitashun.com/blog/daily/16384/ 引き続き我々は「虐待死ゼロ」の実現を目指して、心ある仲間たちと協力しながら、政策提案を強く進めて参ります。 via: 痛ましい虐待死を防ぐには、児童相談所と警視庁の「全件情報共有」を実施せよ! 虐待死が止まらない 虐待による死が減りません。度々ニュースになり、耳を塞ぎたくなるようなひどい虐待がたくさんあります。熱湯を浴びせたり、裸で外に置いておいたり、殴ったり蹴ったりはもちろんのこと食事を与えない、学校に行かせない、場合によっては性的虐待を含む場合もあります。 そのような多様な虐待によって死んでしまう子供達は数え切れません。小さい赤ちゃんの場合もあれば6歳や9歳ぐらいの時もあるようですが、彼らに共通して言えることは、そのような家族のもとで生まれてこなければこんなにも早く死ななくて済んだということです。 これは紛れもない事実ですが、そのための対応が十分にできていると思いません。今回の記事にもあるように実際そのような暴力を振るう家庭というのは早い段階でマークされ近隣住民から通報を受けるケースが非常に多いです。 みんなわかっているのに あの家は暴力を振るう家だということがわかっているのにどうして救うことができないのか。日本では親権が強すぎて簡単には子供たちを家族から切り離すことができませんが、実際その家族が明確な他害行為を行って殺人すらするようなレベルの家庭であることは現実です。 そのような事件がたくさんあるということは、これだけの事例を見れば明らかです。もちろん親権というのも大切ですが、それと同じように、あるいはそれ以上にまず第一に子供の人権というもの自体が極めて重要なものであることは間違いありません。人権のようなふんわりした言い方をしなくても、殺されない権利というのはどう考えてもあるわけなので、必ずしもその子が家族との切り離しを望まないとしても、殺されるような環境にその子供を置いておいてよい道理はありません。 日本の法制度がどのように変わるべきかという議論とは少し違いますがとにかく大事なことは危険な家庭があることをきちんと周知することなのでしょう。 警察と児童相談所のますますの連携が求められます。