転載元 : http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1521039049/ 1: ◆JfOiQcbfj2 2018/03/14(水) 23:50:49.41 ID:IScO5bqg0 相葉夕美ちゃんと触手でR-18な内容です。 自己設定などありますが、お付き合い頂ければありがたいです。 2: ◆JfOiQcbfj2 2018/03/14(水) 23:53:40.10 ID:IScO5bqg0 「あれ?」 レッスン帰りに事務所に立ち寄った相葉夕美は備え付けのテーブルに訝し気な目線を向けていた。 「これって、うえきちゃん……だよね?」 うえきちゃんとは、いつの間にか事務所の休憩ルームに置かれていた2メートル程の少し不思議な(そして少し気味悪い)正体不明の置物である。 「……縮小版?」 それをそのまま鉢植えサイズまで小さくしたものがテーブルの上に乗っていた。高さは全部含めて30センチぐらいだろうか。自身より大きいと威圧感があったがこうしてみると中々に可愛らしい、ような気がする。 夕美は持っていたバッグをソファーの足付近に置くと、自身はソファーに腰かけてその小さなうえきちゃんをじっと観察するように見てみる。 「小さければ植物のような……うーん」 ちゃんとした土が敷かれているのを確認し、大きいサイズと同じように突然動き出し花粉の様な物を飛ばしてこないか慎重に観察を行う。 そんな風に集中してジッと見つめていたせいで後ろからソロリソロリと近づく存在に彼女は全く気が付かなかった。 「ゆーみちゃん!」 「ひゃ、あっ!?」 「うーん、今日も変わらず素敵なお花のかおりー♪」 「もー、志希ちゃん。急に匂いを嗅ぐのは止めてって言ってるでしょ」 「これはー、ライラックかにゃー?」 「聞いてないね……でも、正解!よくわかったね」 にゃふふー、とわかった理由は答えないまま志希は後ろから抱き着くような姿勢のまま、しばらく夕美の匂いを堪能しているようだった。 「そういえばさー。何か睨めっこしてたみたいだけど、それが気になる?」 抱き着かれた夕美も「まあ別にいいか」と匂いを嗅がれることも慣れていたので(慣れるつもりはなかったが)志希の好きにさせていたが、突然話題を振られ口を開いた。 「これって、うえきちゃんだよね?」 「そだよー、ついでに言うとミニバージョンね」 「志希ちゃんが作ったの?」 「ノンノン、協力はしたけど元は蛍光色のあの方だよー」 「え?ちひろさん?なんで?」 「グッズ展開だってさ」 「あー……」 あの人はアシスタント兼事務員じゃなかったっけ?と心の中だけで疑問を浮かべながらも夕美はツンと軽く突いてみる。 3: ◆JfOiQcbfj2 2018/03/14(水) 23:56:25.38 ID:IScO5bqg0 「うわっ」 「よく出来てるよねー、私もちょっとびっくり」 ただのグッズだからてっきりプラスチックか何かかと思えばゴムのような柔らかい感触が返ってきて慌てて指を引っ込めた夕美を志希はケラケラと笑う。 「協力したって、何をしたの?」 「うーん?何か香りづけ用の薬と用途のわからない薬品の提供ー」 「え?ちょっと怖いんだけど」 「危ない物は使ってないよ?」 少し嗅いでみたら?と言われて夕美は一瞬躊躇ったが、好奇心が勝ったのか少しだけ鼻を近づけて嗅いでみる。 「……?」 甘い、というより甘ったるい香りだろうか。花のそれとは違う人工的な匂いが鼻をくすぐる。極端に不快な感じはなく、近づかないとわからないことから部屋の匂いを置き換えてしまう程ではなさそうだ。 「売れるのかな、これ」 「需要はあるらしいよー」 何でも本体(?)がアイドル事務所にあるという事実が商品価値を高めるらしい。夕美は何となく理解しながらもやはり小さいうえきちゃんを訝し気に眺めていた。 そんな様子を見ていた志希は夕美の肩に顔を載せるように覆いかぶさると提案した。 「そんなに気になるなら、持って帰っちゃう?」 「へ?」 「実は家に置いてみた感想が欲しいらしいんだよね。所謂お試しみたいな?実際において見た目は大丈夫かーみたいな」 それって被験じゃない?という言葉を夕美は何とか飲み込んだ。 「あたしも一個渡されたんだけど、しきちゃんの家っていうか部屋は一般ピーポーと比べると、あれじゃん?」 「ああ、まあ」 実際に見たことはないが彼女の部屋が薬品で溢れていることは周知の事実だ。恐らくそんな部屋にこれを置くとホラー映画のワンシーンにしかならないだろう。 「そんなとこにおいても一般的な感想は得られないだろうし、ちひろさんからもう一人信頼できそうな"普通の家に住む人"に渡して欲しいって言われてたんだよね」 結局、テーブルの上に置いてあったこれは誰かに渡すためにそこに存在していたという事らしい。 「そして栄えあるお試し第二号は夕美様に決まりましたー!おめでとー!」 「まだ受け取るなんて一言も言ってないけど……」 まぁまぁどうぞどうぞ、と志希はテーブル上のうえきちゃんを手に取ると夕美に渡す。 小さな見た目通りの重さで、当然の如く用意されていた紙袋にすっぽりと入る。 「お試しだからさー、気に入ったら貰えるかもだし、そうじゃなくても返せばいいじゃん?アタシもやるんだしさ」 「んんー、まぁ、いいけど。明日もレッスンだからその時にでも感想を言えばいいのかな?」 「それでいいんじゃないかなー」 じゃあ、志希ちゃんは今からレッスンだから失踪するねー、と去っていく彼女を見送って夕美は紙袋に包まれているうえきちゃんをもう一度確認して、気づいたように顔を上げた。 「いや、失踪しちゃダメだよね!?」 彼女を連れ戻すのに他のアイドルと協力したがそれでもだいぶ時間を食うことになった。 4: ◆JfOiQcbfj2 2018/03/14(水) 23:57:37.62 ID:IScO5bqg0 「ただいまー」 暗い部屋の扉が開き、夜の明かりと共に夕美は自身の住むマンションの一室に帰ってきた。 神奈川県の実家から大学や事務所に通うことは不可能ではないが、仕事が増えてきたことや学業にも専念するために両親に少々無理を言って借りた部屋だ。 「さて、と」 部屋の明かりをつけて紙袋をテーブルの上に置いた彼女は、その中からうえきちゃんを取り出し、とりあえずど真ん中にドンと置いてみた。 「まあ、小さいしそんなに変な感じでもないかな」 色々な角度から見てみるが、特に変な感じもない。ただ近づくとやはり甘ったるい匂いが鼻を擽る。 「一応写真撮っとこ」 携帯を取り出して何枚か写真を撮る。明日ちひろに見せるためである。 「よしっ」 それに満足したのか携帯をテーブルの上に置いた彼女はそのまま浴室に足を運んだ。 (ちょっと遅いからシャワーでいっか) 余裕があればお湯を張ってゆっくり湯船に浸かりたい気持ちもあったが、今日は少し忙しかったせいで(主に志希の失踪)少し帰りが遅くなったのもあった為シャワーにすることに決めた。 「~~♪」 軽快に鼻歌を歌いながら衣服を脱いであっという間に一糸まとわぬ姿になる。 その後すぐにシャワーの流れる音と、さっきの鼻歌の続きが浴室から聞こえだした。 『…………』 テーブルの上に置いてある小さなうえきちゃんがモゾモゾとそれに反応するように少しだけ動いたのを、当然彼女が知る由はない。 続きを読む