転載元 : http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1519229231/ 1: ◆SHmukQ/VZk 2018/02/22(木) 01:07:12.24 ID:aScNrnF50 モバマスSSです。 クリスマスネタです。 よろしくお願いします。 2: ◆SHmukQ/VZk 2018/02/22(木) 01:07:44.01 ID:aScNrnF50 かん、こん、こん。 私は数段飛ばしながら、階段を上る。 あまりこういったことはしないけど、今日は特別。 早く会いたいという気持ちを抑えながら、猫のようにぴょんぴょん飛んで彼の元に急ぐ。 本当は事務所に戻る必要なんてないけど、どうせ彼はここにいるのだろう。 皆を早く帰らせ、1人で抱えて寂しく雪の降る中お仕事をする。 私の知っている、いつものPチャン。 折角のホワイトクリスマスだというのに、折角のシュチュエーションなのに、逃す。 彼はそういう人だ。 それでハロウィンなんか、お菓子を渡して、ハイ終わり。 色々衣装も用意したのに、それも触れずに仕事、仕事、仕事。 ほんっとに、本当に、馬鹿なPチャンだ。 そんな真面目なところも嫌いで、とっても好き。 真面目で、皆のことを一番に考えて、私のことを考えてくれて。 でも、もうちょっと自分のことを考えてほしい。そこは不満。 事務所の扉の前に立ち、少しドアノブを捻って部屋の中を伺う。 3: ◆SHmukQ/VZk 2018/02/22(木) 01:08:11.86 ID:aScNrnF50 暗い部屋の中、PC前に佇む男性。 Pチャンだ。 少しの安堵と、大きな怒りがこみ上げる。 もう!またそういうことしてる! やめて!と何度言っても「あはは……、きっちりしないとなんか気になるんだよ」と言い訳をかまして誤魔化すんだから。 でも、仕事姿もまた好きだけど。 彼は誰もいないことをいいことにチキンやコーラを持ち込んでいる模様。あ、あれ近くのコンビニで売ってた気がする。 「……あぁ!なんでこんなに日程が酷いことになってるんだ!これ来月辛いぞ」 そう言って頭を抱える、多分取材とかの調節だよね。 Pチャンの凄いところは、休みを取りたいと言ったら必ず撮らせてくれる。 私はあまり出さないけど、皆は結構出してるみたい。 でも、毎回調整する時はああやって頭を抱えてることが多い。 皆には見せない、私だけが知ってる姿。 「うぅ……なんでこんな日に残業しなきゃいけないんだ……」 それはPチャンが抱えすぎなだけ。 何度も言ってるのに、PチャンはドMだと思う。 ……ん、色々思い出してもそんな気する。 「みくぅ……みくぅ……」 名前を呼ばれて、ドキリ。 特にこっちに気がついた様子はないけど、名前を呼ばれて私は少し顔が熱くなる。 「うぅ……みく呼べば良かった……、下手に見栄なんか張るんじゃないよ俺……」 その言葉に更に私に熱が籠る。 嬉しい、嬉しい。 でも怒りもちょっぴり。 なんで私に見栄なんか張るの!なんて。 私はいつもの猫耳を付けて、部屋に入ることにした。 みくモード、オン!……なんて。 ドアを音が立てないように締め、こそりこそりと彼の机に近づく。 彼はなんだかんだ言いながらも集中してるらしく、カタカタと音を立てながらディスプレイを見つめている。 「いや、みくは女子寮でパーティでもしてるだろうし、呼ばなくてよかった。良かったんだ……。」 「だ、れ、を、呼ばなくてよかったって?」 Pチャンの耳元で囁くと、「ひやぁ!?」と情けない声と共に椅子から飛び跳ねる。 この、驚いた顔もまた好き。 続きを読む