信じられないことですが、なんと現代の若者はパソコンを使うのが苦手であることが明らかになってきました。5-6年前の大学生なら当然のスキルを持っていない人が増えてきているのです。 オススメ記事 大学などで卒業論文や就職活動の準備が本格化する中、ワードやエクセルを使えなかったり、キーボードが苦手だったり、パソコン操作に苦戦する学生が増えている。小学時代からパソコン教育を受けた“ネーティブ世代”だが、スマートフォンの普及でパソコンとは疎遠になっている学生も多いという。各大学はキャリア支援の一環で、パソコンの課外講座を開くなど習得を支援。大学生向けの「学割」を設ける民間のパソコン教室や、入社後に研修を実施する企業も増えている。(広畑千春) 神戸市内の大学の研究室。男子大学生(22)が、指導教官のアドバイスを受けながら、たどたどしい手つきでパソコンを操作する。高校1年のとき、初めて持った携帯電話はスマホ。以来、インターネット検索から動画、メールの利用までほぼスマホに頼ってきた。「スマホの文字入力の方が楽。パソコンはキーの場所も覚えていないし、ローマ字で変換すると頭を使う」と苦笑いを浮かべる。 男子学生のような例は珍しくない。難関とされる国立大3年の女子学生(21)もキーボードが苦手だ。物心ついた頃からパソコンが家にあり、小学校でも習った。「でも普段使わないから忘れてしまった。就職するには本格的に練習しないと」と焦りをにじませる。 こうした学生に向け、大学や民間の教室、企業などがサポートを強化する。神戸学院大(神戸市中央区)は2010年から、ワードやエクセルなどの資格「MOS」を取得する課外講座を開設。受講生は年々増加しており、同大学は「5、6年前とは様相が一変した。今は自宅にパソコンがないという学生も多く、苦手意識はかなり強い」と話す。 「今の若者はインターネットや会員制交流サイト(SNS)を使いこなし、進んでいると思われているが、機器の違いが新たな『壁』になっている」と指摘するのは、パソコン市民講座を全国展開する「チアリー」(大阪市)の担当者。教室では昨年、小中学生向けだった学生割引を高校・大学生らにも広げた。 新入社員向けの取り組みも進んでいる。姫路商工会議所(姫路市)は、来年度の新入社員向けに短期講座を新設した。担当者は「事業者からの要望が多かった。まさかの事態だが、若い世代はデジタル環境そのものには慣れているので、のみ込みも早いのでは」と話す。 via 神戸新聞 就活、卒論の“敵”はPC スマホ世代「ローマ字変換に頭使う」 なぜ彼らはパソコンが使えないのか なんとも信じがたいことですが、スマートフォンの登場が状況を一変させたようです。あらゆることがスマートフォンで出来るようになってしまったので、パソコンを使わないために上手に操作出来ないといいます。基本的に若者はみんなパソコンが使えるというイメージを持っている人間からすると信じられません。 しかし、なんとなく想像出来なくもない部分があります。それは、彼らがパソコンを所有することのコストの問題です。パソコンは高価です。それに加えてスマートフォンはもっと高価です。毎月7000-1万円以上の料金が掛かること珍しくありません。1年持っていたら10万円以上になります。 そうすると、パソコン一台を買えるくらいの額になります。昔の携帯電話と違って出来ることが増えたスマートフォンと機能の重なるパソコンまで持たなくてもいいやと思う人達が少なくないのでしょう。親の懐事情の問題もあるかと思います。 パソコンが使えないと何が困るのか しかし、実際の所かなりの部分はスマートフォンで出来るとしてもパソコンじゃないとやりづらいこと、あるいは職場ではパソコンを使わざるを得ない状況になることも十分想像出来ます。つまり問題は二種類に分けることができます。パソコンでしか出来ない作業が出来ない人間になることと、スマートフォンでできることをわざわざ職場ではパソコンを使わなくてはならないことです。 後者については、パソコンでの操作に慣れれば割と簡単に出来るようになるでしょう。スマートフォンとやることは同じですから、多少操作が違えどすぐに慣れるはずです。しかし前者については、一から学ばないといけないので大変でしょう。 パソコンでしか出来ないことはいくつかありますが、あまり多くはありません。それだけスマートフォンは発達してきているのです。レポートを書くことも出来るし、PowerPointを作ることすら出来ます。もちろん操作はパソコンに較べて面倒なものなので、パソコンでできる様になったほうがいいとは思いますが…。 私は案外これが大きな問題ではないように思えてきました。職場でもスマートフォンで仕事をさせたら良いのではないでしょうか。新しいムーブメントの中で、文章もスライドもスマートフォンで作るような世代が出てきても案外不思議はないのかもしれません。