転載元 : http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/internet/14562/1491946724/ 1: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/04/12(水) 06:38:44 ID:8kmi6xWI 魔王の城―― 魔王「もう無理だ。勇者に勝てるわけないよ……」 側近「なにをおっしゃいますか、弱音を吐かないで下さい」 魔王「そう言うけど、知ってるかい? 勇者一行が今まで全滅した回数?」 側近「報告ではパーティー全滅が十三回、勇者死亡が二十回、戦士死亡が――」 魔王「この報告おかしいよね。今までずっと思っていたけど」 側近「流石が魔王様、お気づきになりましたか」 側近「この記録は勇者一行が我らの領土に踏み入れてからのもの。正確な記録ではございません」 魔王「違うって。なんで勇者一行は死んでも蘇るんだよ!!」 2: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/04/12(水) 06:39:32 ID:8kmi6xWI 側近「それは以前報告した通りでございます」 魔王「女神だかの加護を受けていて死んでも蘇るんだっけ?」 側近「はい。その加護は周囲の者にも効果があるようで――」 側近「勇者に選ばれた者、つまりパーティーメンバーも復活いたします」 魔王「その時点で詰んでない?? ゾンビ部隊とか勝ち目ないじゃないか!!」 側近「なにおっしゃいます、魔王様にも邪神の加護があるではございませんか!」 魔王「勇者以外には殺されないって言う意味わかんない加護のこと?」 側近「はい。より正確に言えば――」 側近「勇者だけが扱える伝説の聖剣が魔王様の胸に突き刺さらない限り死にません」 3: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/04/12(水) 06:40:23 ID:8kmi6xWI 魔王「それでその伝説の聖剣ってどこにあるんだっけ?」 側近「ここより遥か南にある塔で四天王の一人、鉄壁のスライム殿が守っていましたが」 側近「先日、スライム殿は勇者一行に敗北。聖剣は勇者に奪われてしまいました」 魔王「勇者が聖剣を所持していたらこの加護って意味ないよね?」 側近「そのようことはございません。高度な魔法が扱えたり、同族に力を分け与えたりと……」 魔王「勇者だって同じような力が使えるんだし意味ないと思わない?」 側近「そ、それは……」モゴモゴ 続きを読む