転載元 : http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1496769514/ 1 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/06/07(水) 02:18:34.81 ID:EU/vD+Ido 就職活動をもののみごとに失敗した俺は、 ≪ブラック企業の中のブラック企業≫といわれる会社に入社することになってしまった。 ホームページを見ると、そこには死んだような目つきで働く社員たちの画像が得意げに飾られている。 「先輩たちの体験談」というページでは、若手社員の残業自慢が書き連ねられている。 まったくなんという会社なのだ。 しかし、こうなったら覚悟を決めるしかない。身から出たサビというやつだ。 俺はもう、この奴隷たちの仲間入りをする他ないのである。 2 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/06/07(水) 02:20:49.53 ID:EU/vD+Ido 入社式の日、会場には俺が入る会社のブラックぶりを取材するため、 テレビ局のスタッフさえも集まっていた。 式の内容は、≪ブラック企業の中のブラック企業≫の名に恥じぬものであった。 いきなり軍隊のような行進をさせられ、点呼を取らされ、社長の銅像に土下座させられ、 ひとりひとり「会社のために死ねます」と宣言させられる。 あまりの深刻さと滑稽さにネタにすらならないと判断したのか、 終わる頃には取材陣はいなくなってしまっていた。 3 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/06/07(水) 02:22:17.96 ID:EU/vD+Ido 本格的な入社一日目、俺はいきなりあるセクションに配属された。 ブラック企業には「研修」などというお上品なものは存在しないのだ。 俺はさっそく課長から呼び出され、 「これから二人で外回りに行く。しっかりついてくるように」 二人で出かけることになった。 「ああ、それとスーツにこの社章をつけることを忘れるな。我が社の社員であるという証だからな」 こういう下らないルールを徹底させるところもいかにもブラック企業らしい。 続きを読む