転載元 : http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1496232114/ 1: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/05/31(水) 21:01:55.08 ID:k4J2UGZx0 タイトルの通り、踊る大走査線の糞SSです。 真下が湾岸署の新署長として登場しますが、和久さんが生存しているお話です。 Movie3からの新キャラは出てきません。 以上のことを踏まえてご覧下さいませ。 それでは、以下本編です。 2: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/05/31(水) 21:03:27.86 ID:k4J2UGZx0 その日の朝。 湾岸署にいつも通り出勤した青島は、ふと違和感を覚えた。何かがおかしい。 署内に喧騒が満ちている。これはまずいい。 普段からこの警察署は騒がしい。それは確かだ。 しかし、目の前に広がる光景は、おかしい。 青島「なーんでこんなに並んでんだ……?」 長い行列。しかも、2列。 それぞれ、男女に分かれている。 そしてその例の先には……トイレがあった。 青島「首から出る汗……ありゃうんこだな」 皆一様に青い顔をして腹を押さえている。 喉元には冷や汗が浮かび、苦しげだ。 彼らを苛む生理的衝動を、刑事として培った鑑識眼によって、即座に看破する。 青島の呟きを数人の署員が聞き咎め、睨む。 特に女性署員達の視線が痛い。 それを誤魔化すように半笑いを浮かべ、足早にその場を後にする。長居は無用だ。 これが事件の始まりであった。 3: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/05/31(水) 21:05:50.89 ID:k4J2UGZx0 青島「おはようございまーす!」 和久「朝からデカい声出すな。腰に響く」 警官になる前のセールスマン時代に身につけた持ち前の快活さを発揮して元気に挨拶をする青島に、和久は小言を言ってきた。 それに対して、少しむっとする。 朝だからこそ、元気に挨拶をしたのに。 すっかり禿げあがった和久平八郎の頭を思わずひっ叩きたくなる。しかし、我慢する。 何せこの後期高翌齢者はすこぶる頑固だ。 叩くなど以ての外だし、口答えすら許さない。 そんなことをすれば、倍返しをされてしまう。 仕方なく青島はじじいを放置して自分のデスクへと向かう。戦略的撤退である。 そんな彼に、丁度後ろの席から声が掛かる。 すみれ「和久さん今日、機嫌悪いみたいね」 青島「いつもだろ」 すみれ「こりゃ失敬」 すぐ後ろのデスクに腰掛けるのは、恩田すみれ刑事だ。愛嬌のある笑みを浮かべている。 こちらを慮る口調ではあるが、騙されない。 この年上の女性刑事は青島が困っている様子を見て、楽しんでいるのだ。実にたちが悪い。 まったく……この悪癖さえなければ。 頭を掻きつつ青島は、そんな益体もないことを思わずにはいられないのだった。 4: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/05/31(水) 21:07:43.98 ID:k4J2UGZx0 すみれ「ほら、これでも飲んで元気出して」 青島「おっ!サンキュー!」 すっかりしょげてしまった青島にすみれはコーヒーを淹れてくれた。お礼を言って受け取る。 こんな気配りを彼女は忘れない。 先ほどの憤りなどすっかり忘れたように、刑事課に置かれたコーヒーメーカーから抽出されたそれに舌鼓を打つ彼。まるで子供みたいだ。 そんな青島を手のかかる子供の様に見つめていたすみれは、不公平にならないように和久さんにもコーヒーを差し入れ、そしてついでに自分の分も淹れて、美味そうにゴクリと飲んだ。 緒方「俺の分は淹れてくれないんですね……」 その様子を物欲しげに見つめる緒方薫。 まだまだ刑事になって日の浅い彼が恩田刑事のコーヒーにありつける道理はなく、仕方なく自分で淹れて飲む。苦さが目にしみる。 真下「やあやあ皆さん!揃ってますね!今日も1日、頑張りましょー!!」 そんな折、ヘラヘラと満面の笑みを携えて、湾岸署の新署長である真下正義が刑事課を訪れた。 続きを読む