転載元 : http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1513351782/ 1: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/16(土) 00:29:42.61 ID:hko7hO0B0 たたかいのはじまり | サイトロ #pixiv https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=7583500 この作品に敬意を込めて 2: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/16(土) 00:31:39.47 ID:hko7hO0B0 まるでわたしのことを避けるように、ブーケが私の頭を駆け抜けていく。 「育?」 もちろんブーケに意思なんかない。 白いアネモネと水色のスカサビオのシルクフラワーをまるく組み合わせたブーケは、わたしの親友の桃子ちゃんの手の中におさまっていた。 「どうかした?」 「育、どんな顔してるかなって」 「趣味わるいなー」 そう言ってブーケと桃子ちゃん、そして投げた花嫁さんとを見比べてみる。 さっきまでちょっと泣きそうだったんけれども、アイドルとして、いや女性としてどうなのよと言いたくなるほど泣いている恵美さんとエレナさんのお世話で、すっかりひいちゃったみたい。 もったいない。二人とも気合入れてメイクしてたのに……。 3: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/16(土) 00:32:19.70 ID:hko7hO0B0 「写真撮りに行かなくていいの、桃子ちゃんは?」 「後で行くよ。今はみんなごっちゃになってるから、私は後でゆっくり撮るの」 わたしは、そうやってあまり素直ではないことを言う親友の顔をまじまじと見つめてみる。 綺麗な鼻から唇へのライン、ガラスから刻みだしたみたいに繊細すぎる薄い目蓋、しっとりと濡れたみたいな漆黒の睫毛、白よりももっと透明な肌、薔薇色の頬、血色の唇。 そして二人していつもよりちょっぴり気合を入ったメイク。 わたしは普段から結構ガッツリメイクをする派だけれども、桃子ちゃんは普段は薄く薄くのナチュラルメイク派。 余談だけれども環ちゃんはスッピンで、メイクするのはお仕事の時と、それこそ環ちゃんのプロデューサーさんとお出かけする時くらいじゃないかな、はい余談おしまい。 4: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/16(土) 00:32:51.35 ID:hko7hO0B0 なんでこんなに気合が入っているかというと、 今日は結婚式だから。 琴葉さんとプロデューサーとの。 5: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/12/16(土) 00:33:46.08 ID:hko7hO0B0 琴葉さんとプロデューサーさんはみんなに囲まれている。 二人の写真はあらかたみんな撮り終わったのか、次は自分と琴葉さんとのツーショットを撮りに行っている。 プロデューサーさんは、同僚のプロデューサーさん達に胴上げされて、……あっ、落っこちた。 わたしと桃子ちゃんは少し離れたところから、その光景をぼうっと見ている。 別に琴葉さんのことが嫌いなわけじゃない、むしろ事務所でも大好きなほうだ。 なんたって“ライバル”だったんだから。 ただ今はなんとなくその輪に加わることができなかった。 隣の親友はそんなわたしに付き合ってくれている。 続きを読む