転載元 : http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1513008255/ 1 : ◆ukgSfceGys 2017/12/12(火) 01:04:15.67 ID:80fZfBBj0 周子誕生日記念&ジュエルドノエル実装記念のモバマスSS、地の文ありの周子とそのプロデューサーのお話 若干ジュエルドノエルのネタバレも含むので念のため注意 しゅーこかわいいよ、しゅーこ 次から投稿していきます 2 : ◆ukgSfceGys 2017/12/12(火) 01:05:50.33 ID:80fZfBBj0 ――暗くなった事務所 あれほど賑やかに開催された誕生日パーティの熱ももうすっかり冷めてしまっている。 にも関わらず今日の主役であるあたしは1人ポツンと手持ち無沙汰にしていた。 こうして待ち続けてどれくらい経ったのだろうか? もうそろそろ時計の長針と短針が真上を向いて重なり合おうとした時に一人の男がやっとあたしの前に現れた。 「――遅れて本当にすまない!」 男は目の前に現れるなり平謝りしだした。 一切言い訳をせずに謝罪から始めたことには一定の評価をしよう。 そしてまるで100m走の後のように肩で息をして、冬なのに汗だくな姿をみれば、全速力で間に合わせてきたこともわかる。 またそんな状態なのに謝罪したまま頭を上げない姿勢や仕事でも見たことがない申し訳なさ漂う雰囲気を見れば、彼の心中は自ずとも察することができる。 ただ、折角の今日という日なのにその手に荷物が全く見当たらないのはどうなのさ? 3 : ◆ukgSfceGys 2017/12/12(火) 01:07:17.45 ID:80fZfBBj0 あたしは頭の中でそんなことを思いつつ、男の姿を尻目に如何にも『超不機嫌ですよ』というオーラを醸し出した。 ……まあ本当のところはこの人が今日の日のためにどれだけ尽力し、師走に入ってから今日まで息つく暇もないくらいだったのはあたしが一番良く分かっている。 だから実際は『まあ仕方がないか』と思っており、それほどは怒ってはいない。 それどころか本来であれば尽力した彼を労い、感謝の気持ちを伝えねばならないところだ。 が、例えそうだったとしても今日は、今日だけはあえて怒るフリをしなくてはならない。 また他の誰でもなく、彼が彼だからこそ、あたしは怒るフリをしなくてはならないのだ。 アイドルになってから輝き始めた演技力をフルに用い、それを生粋の京女の魂であたしなりのアレンジをしてみる。 「ほ~、Pはん流石の気遣いやなぁ~。この時間ならいくら今日忙しいあたしでも二人っきりになれるもんなぁ~」 「…………すまない、周子……」 なんであたしが怒るフリをしてPさんが謝っているかだって? 何故なら今日はあたし、塩見周子の誕生日なのだ。 そんでもってPさんの両手はすっかり空で、プレゼントの類が見当たらなかったのだ。 シンデレラを迎えに来た魔法使いなら魔法くらいちゃんと使ってよね。 4 : ◆ukgSfceGys 2017/12/12(火) 01:08:04.08 ID:80fZfBBj0 ポーンポーンポーン あ、時計の音がなった。訂正、昨日はあたしの誕生日だったのだ。 続きを読む