転載元 : http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1506717840/ 1: ◆nvIvS/Qwrg 2017/09/30(土) 05:44:00.62 ID:gbso4KrM0 お世話になっております また投下させて頂きます 2: ◆nvIvS/Qwrg 2017/09/30(土) 05:46:32.61 ID:gbso4KrM0 【とんかつ屋編】 座敷童子。 横浜の、とあるとんかつ屋。 その座敷席で、無愛想な少女は、そう呟いた。 少女は名を冷泉麻子という。 黒髪を腰まで伸ばした、どこか猫を彷彿とさせる眼をした少女である。 3: ◆nvIvS/Qwrg 2017/09/30(土) 05:48:41.38 ID:gbso4KrM0 無愛想ではあるが、特段、機嫌が悪いという事もない。 彼女が無愛想な原因は大抵の場合、眠気のせいである。 不規則な生活のせいで朝が弱く、酷い日は昼も弱い。 しかし現在は既に夕刻。 流石に眠いという事は無さそうだが、目が覚めたからといって愛想を振り撒く訳でもない。 自然、普段通りの顔付きに落ち着いてしまう。 眠い顔が癖になってしまっているのだ。 4: ◆nvIvS/Qwrg 2017/09/30(土) 05:51:25.43 ID:gbso4KrM0 麻子の対面に座った少女が自分の事を揶揄されたと思ったか、何ですって、と声を上げる。 こちらは園みどり子、略してそど子と呼ばれている。 麻子とは対照的に、髪をおかっぱに切り揃えた、毅然とした顔付きの少女。 今日はその髪を後ろでひとつに束ねている。 彼女は風紀委員で、遅刻魔である麻子を叱る立場にある。 しかし、仲が悪い訳ではないのだ。 彼女ら二人の言い争いは日常茶飯事で、それによって雰囲気が悪くなる事は殆ど無い。 同席の後藤モヨ子と金春希美も心得たもので、二人の声を気に留めるでもなく小鉢に盛られた煮付けの評論などに花を咲かせている。 違う違うと麻子が手を振り否定した。 続きを読む