転載元 : http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1507346781/ 1: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/10/07(土) 12:26:21.04 ID:HQ/QoWN3O ペパロニ「いいっすか、ドゥーチェ、このブラックボックスアトラクションにおいてt最も大切なのは──『ルール』を守ることっす」 アンチョビ「ルール?」 ペパロニ「そう、お客さん自らがきちんとルールを守ること──それがこのアトラクションの最大のキモっす」 アンチョビ「ほう」 ペパロニ「第一のルール。お客さん達はこの三畳一間のこの部屋に入ったら──絶対にこの耳栓をはずしちゃいけません」 アンチョビ「耳栓?」 ペパロニ「これっす、特殊カーボンでできた、遮断率100%のすげー耳栓です」 アンチョビ「100%って、なんにも聞こえなくなるのか?」 ペパロニ「そっす、試しにつけてみます?」 アンチョビ「うん」 きゅぽきゅぽ アンチョビ『うわっ、なんだこれは……ごぉぉぉっていう耳鳴りと、時々、自分の心臓の鼓動みたいな音と……おーいペパロニ、なんか喋ってくれ』 ペパロニ「 」 アンチョビ『おぉ全然聞こえないぞ』 ペパロニ「 」 アンチョビ『あはは、口をパクパクさせて。ぜんぜんわかんないぞ。自分の声は聞こえるのに、変な感じだなぁ』 ペパロニ「 」 アンチョビ『……ん? あぁ、耳栓をはずせ、か』 ……きゅぽん ペパロニ「──どーっすか、ぜんぜん聞こえないでしょ」 アンチョビ「うん! すごいな!」 ペパロニ「でしょー? そしてですね、さらに──この部屋を真っ暗にするっす! おーい、カルパッチョ」 <『はいはーい』 カチ! アンチョビ「わぁっ、真っ暗だ。自分の手さえ見えない。……ぺ、ペパロニ? そこにいるか?」 ペパロニ「いるっすよぉ。目の前っす」 2: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/10/07(土) 12:26:41.74 ID:HQ/QoWN3O アンチョビ「そか……、……ひゃぁっ!?、こらぁ! いきなり触るな! びっくりするだろ!」 ペパロニ「えへへへぇ」 アンチョビ「もー。だけどすごいな、本当に真っ暗だ……」 ペパロニ「でしょー。そしてですね、この状態で、さぁ、耳栓をするっす。ただし──灯りが付くまで絶対に耳せんを外しちゃだめっすよ」 アンチョビ「む……。なんか、ちょっと怖くなってきた」 ペパロニ「はやくはやく~」 アンチョビ「わ、わかった……」 ──きゅむきゅむ アンチョビ「──────。」 アンチョビ(うわっ、暗闇で──頭の中の音だけがごぉぉぉってなんだか──深い海の底に突き落とされたみたいな。) アンチョビ(すごいな……ペパロニは、こーいう遊びの時にだけは頭が働くんだなぁ……もっと普段からこれくらい──) アンチョビ(……。) アンチョビ(……。) アンチョビ(……うぅ、なんか、平衡感覚がなくなってきあ……) アンチョビ(……ッ、ぺ、ペパロニ! いるか! そこにいるのか? どこだペパロニ!) ……ぎゅっ アンチョビ(あっ、……これペパロニの腕か……よかった。) アンチョビ(ちょっとだけほっとした) アンチョビ(……。) アンチョビ(……。) アンチョビ(なぁ、おい、もういいぞ。そろそろ灯りをつけてくれ) ──────。 アンチョビ(……っ) アンチョビ(おい、おいってば、おーい! 聞こえないのか!) アンチョビ(カルパッチョ電気をつけてくれ! おーい! カルパッチョぉ!!) ──んぱっ(明りがついた) アンチョビ「! ふはぁ……!」 きゅぽんっ アンチョビ「はー……はー」 続きを読む