今回の失敗を喜ぶことは出来ないでしょう。北朝鮮がどんどんチャレンジングな開発を行っていることが明白になってきているからです。果たしてこれからどうなっていくのか不安に思う人も多いのではないでしょうか。 オススメ記事 北朝鮮東部の咸鏡南道新浦(ハムギョンナムドシンポ)で9月半ば、ミサイル用とみられるエンジンの地上噴射試験が行われたと軍事関係筋が明らかにした。試験は失敗したという。米韓両国は、新型の潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)の開発実験の可能性があるとみて注視している。 特集:北朝鮮、ミサイル発射 試験では爆発が起き、北朝鮮技術者に死傷者が出たという。新浦は日本海に面し、北朝鮮軍の潜水艦基地がある。労働新聞が8月23日付で公開した金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長による国防科学院の視察写真には「水中戦略弾道弾 北極星(プッククソン)3」と書かれた図が写っていた。今回の試験は、この北極星3の開発実験だった可能性があるという。 北朝鮮は昨年8月、射程が約2千キロとされるSLBM「北極星」を発射。北極星3は、北極星の射程を延ばした新型とみられる。 北朝鮮は現在、米本土の攻撃を想定し、SLBM発射管1、2基を備えた3千トン級の新型潜水艦を開発中とされる。北朝鮮関係筋によれば来年春までの完成を目指しているという。 via: 北朝鮮、潜水艦発射型の弾道ミサイル開発で爆発事故か:朝日新聞デジタル 続く軍拡 北朝鮮を中心としたアジアのきな臭い情勢は、日本の選挙での改憲問題とあいまって非常に注目されています。そんな中で北朝鮮が失敗したとは言え、どんどん軍拡に向かって動いているというのはなんだか本当に怖い話です。 こうやって毎日のようにニュースが流れてくると麻痺しそうになりますが、実際北朝鮮のここ最近の動きは非常に活発であり、一触即発と言っても仕方のないレベルです。何か韓国、アメリカ辺りが行動を取った場合にいきなり先制攻撃をする可能性もあるわけですから恐ろしい。 今回の実験も失敗に終わったとは言え、科学技術における失敗というのは必ずしもネガティブなことではありません。エジソンの言葉を借りるなら「うまくいかないやり方を一つ知った」ということです。次は成功する可能性だって十分にあるはずです。 むしろ、そのようなチャレンジングなことをいまどんどん行っているということの方がよほど怖い。今の状況に満足せず、もっともっと高いレベルの軍事力を求めていることの証拠ですから。 結局北朝鮮と戦争になるのか? 私はこの路線は可能性としてはあまり高くないと考えています。なぜなら、もしも戦争になったら北朝鮮は確実にボコボコにされるからです。彼らの軍事力が意味を持つのは、本当に使ってしまう時ではなくて、それを交渉の道具として利用してうまく利益を得るときのはずです。 脅しの道具として非常に重要ですし、道具としても強ければ強いほど交渉が有利になるのですから北朝鮮が今後も軍拡を続けていくことはほぼ間違いないのですが、じゃあそれを使うかというと疑問なわけです。韓国に多少の被害が出せたとしてもアメリカはほとんど無傷で北朝鮮を滅ぼすことも可能でしょう。 そういう意味では日本は隣国ではあるものの比較的安全だと思います。北朝鮮がもしアメリカを敵に回すならば、日本に対して軍事力を割いている余裕など持ちようがないからです。 日本がこれから改憲に向かうことが北朝鮮の行動に対する反応なのだとしたら、もしかしたら過剰反応になってしまっているかもしれません。慎重な議論が出来ると良いのですが…。