転載元 : http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1508248713/ 1 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/10/17(火) 22:58:34.10 ID:W4tVHYwo0 この感情が生まれたのはいつからだったか。 プロデューサーと出会って一年か二年したときだったっけ。 もっと短かったかもしれない。 芽生えたての頃は実に自分の年齢を怨んだものだった。 もう少し、もう少しだけ私が幼ければ諦めることができたのに。 もう少し、もう少しだけ私が彼の年齢に近ければ、この感情に現実感を持たせてやることができたのに、と。 今は、うん。 そこそこ気に入っている。 理由は、他の誰かが聞いたらとてもとても、仕様もないことなんだけど。 2 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/10/17(火) 22:59:11.58 ID:W4tVHYwo0 ◆ ◇ ◆ ◇ 「プロデューサーはさ、恋人とか……いないの?」 二人して何でもない話をしながら事務所への道を歩いてるその最中に、私は唐突にそう切り出した。 彼は少しびっくりした顔をして、「どうしたの。急に」と言ってその後で、たははと笑った。 「いないよ」 そう言うだろうな、と思っていた。なぜなら、いたとしても、いないと言うのが普通だから。 余計な詮索を受けたくないなら、それが模範解答だから。 「そっか」とわざと素っ気なく返してやると、彼はむっとした顔をする。演技だと分かった。 「ホントだからな」 「……そういうことでいいよ」 「ホントなんだけどなぁ」 3 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/10/17(火) 22:59:39.95 ID:W4tVHYwo0 ○ 「じゃあさ、何で作らないの? 作れない訳じゃないでしょ?」 「なんか棘があるな」 「ないよ」 「そういうことでいいよ」 「私の真似した」 「仕返し」 続きを読む