24: 名無し三等兵 01/10/29 23:06 ID:ux8By2pL 名前:名無し三等兵 投稿日:2001/03/21(水) 01:39 セブ島から特攻出撃した大和隊隊員植村少尉が幼いわが子に あてた遺書。 素子 素子は私の顔を能く見て笑いましたよ。私の腕の中で眠りも したし、またお風呂に入ったこともありました。素子が大きくなって 私のことが知りたい時は、お前のお母さん、佳代叔母様に私のこと をよくお聞きなさい。私の写真帳もお前のために家に残して あります。 素子という名前は私がつけたのです。素直な、心の優しい、思いやり の深い人になるようにと思って、お父様が考えたのです。 私はお前が大きくなって、立派なお嫁さんになって、幸せになったの を見届けたいのですが、若しお前が私を見知らぬまま死んでしまって も、決して悲しんではなりません。お前が大きくなって、父に会いたい ときは九段にいらっしゃい。そして心に深く念ずれば、必ずお父様の お顔がお前の心の中に浮かびますよ。 父はお前が幸福者と思います。 生まれながらにして父に生き写しだし、他の人々も素子ちゃんをみると 真久さんにあっている様な気がするとよく申されていた。 またお前の伯父様、叔母様は、お前を唯一の希望にしてお前を可愛がって 下さるし、お母さんも亦、御自分の全生涯をかけて只々素子の幸福を のみ念じて生き抜いて下さるのです。必ず私に万一のことがあっても 親無し児などと思ってはなりません。父は常に素子の身辺を護って おります。優しくて人に可愛がられる人になって下さい。 お前が大きくなって私のことを考え始めたときに、この便りを読んで 貰いなさい。 昭和十九年○月某日 父 植村素子へ 追伸 素子が生まれた時おもちゃにしていた人形は、お父さんが頂いて 自分の飛行機にお守りにして居ります。だから素子はお父さんと一緒に いたわけです。 素子が知らずにいると困りますから教えて上げます。 続きを読む