転載元 : http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1502803122/ 1: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/08/15(火) 22:18:42.38 ID:C4GoZR9t0 校内の茶室 あーちゃん先輩「能美さーんお茶もう一杯ちょーだーい」 クド「分かりました。リキはどうですか?」 理樹「あ、じゃあよろしく……」 理樹(今、何故僕がクドと女子寮長との3人で茶室にいるかというと、全ては真人と恭介と謙吾から逃げるためだった。例の「お家の者達」の全員が実刑判決を受けるまでの数ヶ月、二木さんと葉留佳さんと僕の3人は念のため学校を休学していたのだが、その間あの3人は退屈が募っていたのか昨日僕らが学校へ舞い戻ってくると、そこから先ず僕はずっと彼らに振り回されていた) 理樹(1日3食付きっきりなのは当たり前、放課後から寝るまでずっと野球盤や人生ゲームをし、挙げ句の果てにはシャワーまで一緒に浴びることになった。寮に帰ってきたばかりで疲れが溜まっていたんだけど、この調子じゃあと一週間はなかなか離してくれそうになかった。そんな時クドがタイミング良く「女子寮長と一緒にお茶でもどうですか?」と茶室に呼んでくれたのだ。流石に今はハードな冒険よりものどかなお茶会を取りたい。そうして招待を口実にここへ避難した訳だった) あーちゃん先輩「にゅふふ~そりゃ災難だったわね~。まあ直枝君とあんまり喋った事なかったけどこんなに可愛いかったら構いたくなる気持ちも分かるわ」 理樹「や、やめてくださいよ1つしか年変わらないじゃないですか…」 理樹(というかこの人とは結構それなり喋ってた気がするけど、あっちはそうでもないのかな?確かに言われてみればあんまり会ったことないような気もするけど…) 2: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/08/15(火) 23:02:50.50 ID:C4GoZR9t0 クド「あっ、そういえば聞いてくださいリキ。最近私と寮長さんで茶道部のサイトを立ち上げたのです!」 理樹「へぇサイトを」 あーちゃん先輩「流石にこの時季から新入部員が来るとは思ってないけど次の新学期には私はいないし、新入部員歓迎だって茶道部みたいなのはどうしても受け身な事しか出来ないからせめてこういうのでもだけでも作っておこうと思ったの」 理樹「せっかくのここも使われなかったら意味ないですしね」 クド「掲示板にサイトの”ゆーあーるえる”なんかを乗っけたりメールで知り合いの皆さんに宣伝してるのです。直枝さんにもあとで送ってもいいですか?」 理樹「うん。別に構わな……」 「『メール』といえば」 理樹「!?」 理樹(後ろからいきなり声がした) クド「あっ、佳奈多さん!お久しぶりなのですー!」 あーちゃん先輩「おっ、もう荷ほどき終わったの~?」 佳奈多「はい。2人ともお久しぶりです」 理樹(二木さんが仁王立ちしてた。この間までずっと一緒に暮らしていたとはいえ、いきなり後ろに現れたらやっぱり心臓に悪い) 理樹「な、なんだ二木さんか……それでメールがどうしたって?」 佳奈多「…さっき風紀委員の子から聞いたばかりなんだけど最近妙な事件が起きてるらしいの」 3: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/08/15(火) 23:30:23.98 ID:C4GoZR9t0 …………………………………… 理樹(二木さんから聞かされた事件は確かに”妙”としか言えないものだった) 理樹「見ただけでパニックを起こすメール?」 佳奈多「ええ……とある生徒がある時、携帯からメールが届き、画面を見た瞬間、パニック状態になって自室に駆け込んでそのまま引きこもることがあったの。その後、教師や保険の先生が心配して見に行ったんだけど本人はなにも話したがらずただ震えて続けていたらしいわ。パニックが治ったあとも携帯でなにを見たのか絶対教えたがらず、その話を思い出すのも嫌だと言うの」 佳奈多「それだけならまだ不可解な話で終わったんだけど、実はそれと全く症状を起こす人間がこの前から立て続けに何人も出てきたの。そしてそのパニックに陥る直前に確認出来ただけでも全員『誰かから届いたメールを見ていた』。そこで流石に何かおかしいと風紀委員が動き出したって訳」 クド「わ、私もそれは知っているのです!私のクラスでもそうなった人がいて……」 理樹「な、なんだか謎が謎を呼ぶ事件だな……」 佳奈多「本来、私はもう風紀委員ではないから無関係なんだけど、この状況を黙って見ていられる性分でもないしこれから彼らとは別に単独でそのメールを送った犯人を突き止めようと思うの」 あーちゃん先輩「フゥ~かなちゃんカッコイイー!」 佳奈多「茶化さないでください……じゃ、今からさっそく被害者の聞き込み行くわよ直枝」 理樹「ち、ちょっとなんでナチュラルに僕まで巻き込むの!?」 佳奈多「どうせここでお茶飲んでるくらいだし暇なんでしょ?それにその被害者は西園さんよ」 理樹「えっ………」 続きを読む