1 : ◆JjxDNGokTU - 2017/08/14 23:22:26.78 ediltvGc0 1/602 日本近海// 水平線に日が落ちるとともに、海は沖の方からゆっくりとかすみ始めた。 輸送艦の艦長を任されていた男は、ちらりと外を見ると、部下に船速を上げるよう促した。 艦長「これは急いでもかなり遅い時間になりそうだな」 彼は規律と時間に厳しい、模範的な帝国軍人であった。 そんな彼にとって、自分の輸送船が遅れるというのはプライドが許さなかったのだろう。 艦長の男は焦るように、軽く歯噛みする。 部下「とはいえ艦長、これは仕方のないことです。なにせ海の機嫌が悪かったんですから」 艦長「ううむ……」 上官の苦悩を宥めるように、部下の男が軽口でフォローした。 とはいえそのフォローはただの慰めではなく、正しい見解だったといえよう。 事実、今日この船はどうも海に嫌われていた。出航して1時間程度経った頃だろうか。 湾を出た頃は全くの快晴であったにも関わらず、次第に波が高くなり、空も淀み始めた。 雨こそ降らなかったものの、風も強く、荒れた海模様に見舞われたのである。 そんな海を半日、歯を食いしばりながら耐え、ようやく穏やかな海になったのがついさっきのことだ。 元スレ 神通「カリブの、海賊?」【艦これSS】 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1502720546/ 続きを読む