212: 大人の名無しさん @長くてすみません 02/09/11 11:47 ID:WveAIbfk と病院の婦長をして、病気知らずだった母が癌告知をされた。 本当に風邪のひとつも引かず、朝の5時から夜の7時まで毎日働き 夜勤もバリバリこなす母親で、本人もそれを自慢していた。 長く勤めていた病院の院長に裏切られ、失意の中それでも母は何とか 近所で雇ってくれる病院を見つけてぺーぺーから仕事を始めたその矢先。 子宮筋腫だと診断。しかし、勤めたばかりだと母は手術を先送りにしていた。 少し放っていたらあまりの痛みに救急車で運ばれた。癌だった。誤診だった。 それでも母は気丈に大丈夫!!を繰り返していた。 そして、術後にの医師からの説明。ステージの話になって、母は青ざめていた。 癌センターでも働いていたから自分の状態や先がわかるだけに、残酷過ぎた告知だった。 母は「治療は受けたくない。」と言い張っていたが、何とか説得して受けてもらった。 辛い治療の中、それでも母は強く生きて泣かなかった。弱音も吐かなかった。 カリメロ~と笑いながら、治療時につけるヘルメットを被っていた。 そんなある日、帰宅した母と久しぶりにお風呂に入った。 母の背中を流し、髪を洗おうとすると、髪がズルリと抜け落ちた。 後頭部の髪を見た瞬間、今まで泣かなかった母親が号泣した。 「辛いのも耐えれた。死にも向き合ってきた、でも、髪が…怖いよ。」 母親のそんな弱い姿を目にするのは初めてだった。泣きじゃくって背中を丸めていた。 小さくなった母親の背中に、私は「また綺麗になるよ」としか言えなかった。 癌だということをはっきり認識したのかもしれない。 身を粉にして働きながら、自分の服ひとつ買わなかった母。 休日も父より私達より早起きして、家事を完璧にこなしていた母。 部下から尊敬され、辞めた人たちからもたくさん手紙が来る母。 母はずっと強くてずっと居てくれるものだと思っていた。 続きを読む