転載元 : http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1500645140/ 1: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/07/21(金) 22:52:20.97 ID:slb/xPNU0 理樹(僕はこの数週間、なんとなく今の生活に違和感を覚えていた。具体的な原因を挙げろと言われれば困るが、なにかおかしいという事だけが漠然と頭の隅にあった。ただ、この前と後で大きく変化した事といえば西園さんと急速に関係が縮まったことだが、それとはまた違う、なんだか大きな『ズレ』が起き始めているような気がした) 理樹(昼休みが終わる直前、そんなことを机に座ってもんもんと考えていると僕の制服のポケットからメールが届いた音がした) 理樹(送り主を確認すると、珍しいことに西園さんから届いていた。彼女は電子機器に疎く、電話をかけるにも一苦労なはずだけど一体どういう風の吹き回しなんだろうか?いや、仮に携帯の操作をマスターしていたとしてこの時間帯なら直接言えばいいはずなんだけど) 理樹(そう思って西園さんの席に目を走らせると丁度あちらも僕を見ていたようで目線がバッチリあった。まだ授業まで5分ほどの猶予があったから直接話そうと席を立ち上がると西園さんは急に顔を変えて緊迫そうな表情で頭を横に振った。動くなということだろう) 理樹(もしかすると直接話すとマズい内容のメールかもしれない。そう思ってやっとメールを開いた。中身はこの一文のみだった) 『今日の22時頃、誰からも見つからずに海まで来てください』 理樹(海、とはおそらく以前”一悶着”あったあの海で間違いないだろう。確かに誰にも見られずという条件ならこれから西園さんと喋っている姿を見られるのは得策ではないかもしれない。しかし、まさか夜に抜け出すなんて誰も考えやしないだろうに何故西園さんは僕と直接話すことさえ渋るのだろう?恭介達がすぐ近くにいるならともかく生徒全員が僕らの行動を監視しているんじゃないんだから) 2: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/07/21(金) 23:20:04.78 ID:slb/xPNU0 理樹(だけど西園さんが気をつけていることを憶測だけで僕が壊すのも怖いので授業中に誰にも気づかれないよう先程考えていた僕の疑問をぶつけると10分後に返事が送られてきた) 『偉そうになりますが、今は何も考えずに私の約束を守ってください。もし私の事を考えてくださるならこのことは誰にも漏らさないでほしいです』 理樹(西園さんはこれまであまり僕に強制するということはなかった。そんな西園さんがここまで言うというのはやはり何かが起きたんだろう。そしてこれも勘だけど、その『何か』とは僕の考えている違和感と繋がるような気がした) ・・・・・・・・・ 理樹(放課後、約束の22時までどうしようか考えていると後ろから真人が話しかけてきた) 真人「よう理樹!今からどうするんだ?」 理樹「ああ、僕もどうしようか迷ってた所なん……」 理樹(そう言った瞬間、何故かグラウンドの光景が僕の頭を走り抜けた。その疑問が顔に出てたのか真人が不審な目で僕を見た) 真人「どうした理樹?」 理樹「あっ、いや。なんでもないよ。ただ、こうやって何をするか迷うのって久々な気がしてさ。普段何やって暇を潰してたっけ…」 真人「………ふっ、そりゃ仕方がない。だっていつも俺たちは筋肉ダンスをしてたからな。楽しすぎて時間も忘れるぜ!」 理樹「そ、そうだったけ?」 理樹(真人の答えもなんだかしっくりこないが別にかといって他に考えられる要素もない。納得は置いておいて今は夕飯までの暇つぶしを考えることにした) 続きを読む