130: ・・・・・・ 02/08/21 00:22 ID:NFUUXILo 私の祖父は事故であっけなく死んだ。亡くなってから私の嫁ぎ先に連絡が来た。 じいちゃんの曾孫が私のお腹に宿ったばかりのある日、その報告をしに里帰りし、その後 自宅へ帰り着いたその日の夜のことだった。 じいちゃんは小さな町では有名な偏屈だった。 そのため幼心に恥ずかしい思いも沢山した。 職人としても腕がよいので余計に有名だった。 80才を越えても自転車で走り回り、山に入って木を切ったり、ぷいと旅行に行ったり 元気なことでも有名だった。 やんちゃだった私が彼(現在は夫)を連れて実家へ遊びに帰った。 正直なところ、じいちゃんと彼を会わせたくなかった。 だって絶対に変な小言を言って相手を困らすから。だから声もかけなかった。 帰る頃になってふと見ると、じいちゃんが彼に頭を下げている。 「よろしくおねがいします」と言ったのが聞こえた。意外だった。 意外すぎて思考が止まった。 じいちゃんは私の結婚式に参列しなかった。 「なぜ」と問うと 「遠いところでの結婚式や披露宴に年寄りが参列して、具合が悪くなったりして 式が台無しになってはいけないから」 やっぱり偏屈。とその時は少し腹が立った。 妊娠の報告の時も私たちの前に姿を出さなかった。出かけているのかと思った。 私たちが帰ったあと、両親に妊娠の話を聞きとても喜んだそうだ。 私の実家は跡取りがいないため、もし女の子だったら・・・・・とか 色々話していたそうだ。 その直後、事故にあった。というより自分の不注意で大けがを負い、 病院に運ばれ数時間後に亡くなった。 続きを読む