1: 名無しさん 2017/06/18(日) 19:44:48.27 ID:5UUNa7QZ0 つないだ両手は、汗でしっとりと湿っていた。 イベントの舞台袖。眩いスポットに上がる直前。 登場のBGMが、かかり出していた。 何度経験しても、この瞬間は緊張する。胸の高鳴りが体を伝って直接鼓膜を揺らす。誰にも気付かれないようにゆっくり唾を飲む。 客席からの熱気。お客さんたちが待ち望んでいるのを感じる。 その期待に応えられるだろうか。本当に、少しだけその不安がよぎる。 だけどそれは表には出さない。 変わりに、両手を強く握り返した。 「二人とも」 声をかけると、両側から私の顔を覗いてきた。 ぱっちりと開いた大きな瞳と、強い意志を感じさせる釣り目がちな瞳。 私は二人に頷いた。 「さあ、行くよ」 二人がそれぞれに返事を返してきた。とっても力強く、心強く。 高いヒールの靴で一歩前に踏み出し、私たちはお客さんの前に飛び出した。 お客さんの歓声が上がる。 精いっぱいの笑みを浮かべ、両手を高く振りながら私は言った。 「みなさーん。私達、ニュージェネレーションでーす!!!」 SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1497782687 引用元: ・本田未央「Re:サンセットノスタルジー」 続きを読む