転載元 : http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1498164468/ 1: ◆8ozqV8dCI2 2017/06/23(金) 05:47:49.18 ID:en73dGsg0 七海(おさかなにとって人の体温は高すぎて火傷してしまうから、素手で触れてはいけない) 七海(そう言うと貴女は驚いて、ガッカリして、そしておさかなが入ったバケツから離れて七海の手を握った) 七海(七海ちゃんがおさかなじゃなくてよかった、そう言って笑う貴女は眩しくて) 七海(貴女の温もりで火傷しそうだとは言えなかった) 2: ◆8ozqV8dCI2 2017/06/23(金) 05:49:50.73 ID:en73dGsg0 愛海「ねえ、七海ちゃん」 七海「なんれすか?」 愛海「さっきから全然釣れてないけど、退屈じゃないの?」 七海「待つことも釣りの楽しみれすから」 愛海「うーん。お山の道に通ずるところもある、のかな」 七海「それは知らないれすけど」 七海(今日はオフなので、七海は海へ釣りをしにやってきた) 七海(隣にいるのは愛海ちゃん。同じくオフで暇そうだったので、誘ってみたら来た) 七海(でも愛海ちゃんにはまだ釣りの楽しみはわからないみたいで) 愛海「はぁ、君だけが癒しだよ。サバオリくん」 七海(釣り竿を置きっぱなしにして、ずっとぬいぐるみのサバオリくんと戯れている) 七海(七海は釣りをする。愛海ちゃんはサバオリくんで遊ぶ) 七海(一緒にいる必要がないけど、一緒に過ごす静かな時間が七海は嫌いじゃない) 3: ◆8ozqV8dCI2 2017/06/23(金) 05:51:27.70 ID:en73dGsg0 ある夏の日の回想 まだ小学校に入って最初の夏休み、同い年の少女と出会った。 親戚の家に遊びに来たの、とその少女は言った。 少女の家はまわりに山があるところで、海を初めて見たらしく七海が釣りをするのを物珍しそうにしていた。 逆に七海は海がない生活が考えられなかったので、この少女は釣りもせず普段なにをして過ごしているのだろうと不思議がった覚えがある。 ともかく七海とその少女はすぐに仲良くなり、数日の間だけ一緒に遊んだ。 もっとも、その子は七海と違って釣りにはすぐ飽きてしまい、家から持ってきたぬいぐるみをずっと揉んでいるだけだったから一緒に遊んだかは微妙なところだけど。 でも釣りをする七海とぬいぐるみで遊ぶ少女は、一緒にいる必要はなくても一緒に時間を過ごした。 七海はその時間が嫌いじゃなかった。 回想終了 続きを読む