転載元 : http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1498003153/ 1: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/06/21(水) 08:59:14.04 ID:XGvacbon0 あんまり怖くないホラーもの 2: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/06/21(水) 09:00:12.95 ID:XGvacbon0 本田未央がふと目を覚ましたのは、夜中の2時ごろ。 病室の窓がひとりでに閉じたのだ。 眠る前は暑くて開けたおいたのだが、 いまは夜更けの冷たい空気を遮断していた。 3: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/06/21(水) 09:00:57.35 ID:XGvacbon0 よく目を凝らすと、窓のそばに奇妙なものが“いた”。 絵本の中に出てくるような、デフォルメされた鎧の騎士。 いや、ブリキ男。 『オズの魔法使い』に出てきたような……。 未央は不思議と、怖い気持ちはしなかった。 相手の格好がおかしいということもあるが、 大好きだった兄のことを思い出したのだ。 幼い未央のために、よく絵本を読んでくれた。 4: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/06/21(水) 09:01:35.48 ID:XGvacbon0 彼女は身体を起こそうとしたが、まったく動けなかった。 金縛り。よく、幽霊が現れたときにかかるという…。 このブリキ男がそうなのだろうか。 未央は唯一動く瞳で、相手を見つめた。 ブリキ男の、がらんどうの2つの瞳が見つめ返してきた。 それから彼はゆっくりと未央の寝台に近づいていきた。 まさか、心臓を奪われたりして。 先月移植したばかりなのに。 未央は心の中で舌を出した。 本当に妙だった。 恐怖よりも懐かしい、楽しい、という気持ちがする。 結局ブリキ男は、毛布を未央に そっとかぶせた後、ふっと姿を消した。 続きを読む