転載元 : http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1497702833/ 1 : ◆ao.kz0hS/Q 2017/06/17(土) 21:33:54.28 ID:BGljWOh70 アイドルマスターシンデレラガールズ 佐藤心 のSSです 18禁シーンを含んでおりますのでご注意ください 2 : ◆ao.kz0hS/Q 2017/06/17(土) 21:35:12.21 ID:BGljWOh70 ◆◇◆◇◆◇◆ 「マジ…?」 これ、なんていうんだっけ? 床ドンだっけ? 下がベッドの場合でも床ドンって呼んでいいのかな…? じゃなくて! 「お、おいおい…落ち着いとけー?」 そう! 落ち着かなきゃ☆ って別に自分に言ったワケじゃないんだけど! 「なんでそんな驚いた顔してるんですか? ヤるって言いましたよね?」 「え、えー? そうだっけー? はぁと、忘れちったー☆」 何の意味もなさそうな誤魔化しをしながら目を逸らすと、自分の部屋とは違って白いクロスの貼られた天井。 シーリングライトでけぇ~…そんなことを頭の中で呟いてすぐにそういう状況じゃないって改めて思い知らされる。 Pの手が今現在はぁとが唯一身に着けているバスタオルを解きにかかっていたから…ってこのヤロー、マジで担当アイドルに手出すつもりー!? 「ちょ! ホンっトにするつもり…?」 「なんなんですか? シャワーまで浴びといてやっぱりナシとか勘弁してくださいよ?」 「いや、そのぉ…」 そのためにシャワー浴びたわけじゃないんだけど…。その証拠にほら見ろよ☆ お化粧だってばっちり落として…やっぱ見るな! 「ちょーっとだけ待って? ていうか待てよ☆ 待って☆」 はぁとを素っ裸に剥こうとするPの手は止まるも、いまだ貞操の危機真っ只中! 精一杯平静を装いつつ、このピンチをどうにか切り抜けるヒントを見つけるため、佐藤心ことしゅがーはぁとは状況のおさらいをするのであった☆ ん~~でもヤバげかも…? 3 : ◆ao.kz0hS/Q 2017/06/17(土) 21:36:37.18 ID:BGljWOh70 ◆◇◆◇◆◇◆ 「シンデレラといえばガラスの靴ってことになってますけど、心さんはどっちかっていうとアクリルの靴ですよね」 イベントの打ち上げでもなければ誰かの誕生日会でもなく、たまたま事務所にいた数人で近場の居酒屋に繰り出したいつもの飲み会。 皆の顔がイイ感じに赤くなってきた頃、はぁとの担当プロデューサーのPがそんなことを言い出した。 「アクリル…? はぁとディスってんのか? あぁん!?」 はぁとの威嚇はPを薄く笑わせるだけ。 「あはは! え? どういうこと?」 はぁとの隣に座っていた早苗さんが身を乗り出して正面に座るPに詰め寄った。 酒酔い特有のデカ目の声量に、すぐ隣で別の話題で盛り上がっていた瑞樹さん、美優ちゃん、楓ちゃんもこっちの話に聞き耳を立て始めてた。 ちなみにこの美女軍団の中でPが担当しているのははぁとと早苗さん。他の三人は別のプロデューサーが担当してる。 「いやいや、ディスってるわけじゃありませんよ。そもそもの話ですけど、ガラスの靴ってすぐ割れそうじゃありませんか? ちょっと階段で躓いたらパリン、足首ひねってパリン、踏ん張ってもパリン」 「勝手にアイドルを踏ん張らせんな☆」 Pが言いながら空になったグラスでコツコツとテーブルを小さく叩くから、はぁとは条件反射的にビールを注いだ…んだけど、もしかしたらグラスをガラスの靴に見立てていただけかもって気付いてデリカシーの無さに心の中でどっせいとローキック。 それより、Pの言いたいことがまだよく分からない。 「もしそんなことになったら足の裏ズタズタですよ?」 「ちょっとエグいぞ☆ 想像しちゃったじゃん☆」 「はは、すんません。でもアクリルってちょっとぶつけたくらいでは割れたりしないじゃないですか。だからタフで落ち着きのない心さんにはアクリルの靴の方が安全かなぁって、そう思いませんか?」 「誰が落ち着きがないか☆」 タフっていうのも言われて喜んでいいかビミョー…うん、やっぱりはぁとディスられてたぞ、おい☆ 「そうね! 心ちゃんにはアクリルの靴がぴったりだわ! あははは!」 ついでに早苗さんにもディスられたけど、あまりに気持ちいい笑い声にこっちは許しちゃう。 「いや、笑ってますけど、早苗さんもアクリルタイプですよ?」 「あぁん!? 何よアクリルタイプって!」 「早苗ねぇさんこいつシメちまってくださいよ☆」 早苗さんがテーブル越しにPの襟首を掴みにかかったけど、それはひらりと躱された。 「あとおこちゃま組と愛海や鈴帆あたりの一部の中高生組は強制的にアクリルかなぁ。あれ? 俺の担当してる娘ってだいたいアクリルかよ…」 「アタシらおこちゃまレベルで落ち着きないってこと? え、マジ?」 がっくりとうなだれた早苗さんだけど、その右手は早速ビール入りのグラスに伸びていた。たぶんそういうとこだぞ☆ 「というよりは、お二人に関しては、自分から脆いガラスよりはアクリルを選びそうってイメージです」 「ん~~? そう…かしら?…足元に不安があると戦えないし…そうかも…?」 「何と戦うんだよ☆」 頭の中でガラスの靴とアクリルの靴を並べてみる。 片方はまさしく透明。でも重くて硬くて、そして脆い。 もう片方は透明度と高級感はすこーしだけ負けるけど、軽いし粘りがあって砕け散ることはなさそう。 舞踏会を過ごすことになるなら、選ぶのはたしかにアクリルの靴かも…。 いや待て☆ はぁとのイメージではいくらアクリルでもヒールのとこで折れそうだぞ☆ もうちょっと太くしてっと…そうなるとチャンキーヒールだな☆ シンデレラ的にこれオッケーなの? まいっか☆ フィクションフィクション☆ 4 : ◆ao.kz0hS/Q 2017/06/17(土) 21:38:53.01 ID:BGljWOh70 「背伸びしたい子たちは憧れ優先でガラスの靴を選ぶのかなぁ。でも、早苗さんは8:2の割合でアクリル選ぶでしょ? 心さんに至ってはたぶん10:0でアクリルですよ」 「アタシもガラスの靴にも憧れはあるけど…そんなもんかもねぇ~」 「おい☆ 早苗さんとの違いはなんだよこら☆」 「心さんの私服って、なんていうか…アクリルとよく合いそう」 「それはぁとの服が安っぽいってことか? 表出ろオラぁ☆」 「じゃあ私にはどっちの靴が似合いますか? 私もアクリル?」 どうやってPに物理的ハートアタックを叩きこもうか考えていると、楓ちゃんが身体をPの方に向け上目遣いに聞いてきた。 ほっぺは桜色で唇は艶々、肌はトゥルトゥル。かしげる首は計算し尽くされた(でも天然な)角度! ザ・愛嬌! くぁ~~嫁に欲しいぞ☆ 「おっ、巻き込まれに来たわね楓ちゃん。ほら、もっとこっちに寄りなさい♪」 なのに、オヤジっぽく腰を引き寄せてせっかくのシナをぶち壊しにする早苗さん。 「高垣さんがアクリル? そんなわけないじゃないですか! 楓さんはダイヤモンドの靴ですよ! えぇ、決まってます」 「あら嬉しい♪ ダイヤだなんてそんな大役…もしかして口説かれちゃってます?」 「その通り、口説いちゃってます! どうですか、この後二人っきりで飲み直しませんか?」 「あら…どうしようかしら…うふふ♪」 「是非とも!」 「駄目に決まってるでしょうが!」「駄目に決まってるだろ☆」 「ちっ」 分かり易い冗談だけど、一応早苗さんと二人でツッコんどいた。 「あ、あの…では私はどうでしょうか…?」 はぁと的嫁にしたい娘ランキング上位ランカーの美優ちゃんも聞いてきた。でも美優ちゃんは…。 「三船さんは……」 (ガラスね!)(ガラスだな☆) 早苗さんとアイコンタクトしながら、Pの出方を待つと…。 「三船さんは…三船さんも、もちろん…ダイヤモンドですよ」 「そんな…私もダイヤでいいんですか…? ふふ…」 Pのヤロー空気読みやがって☆ でも照れてる美優ちゃん眼福だし、ま、いっか♪ 「ねぇねぇ、じゃあ私は? 私ももちろんダイヤよね?」 ここで瑞樹さんが満を持して介入☆ んー、でも瑞樹さんは…どれだろ…? 「川島さんは………強化ガラス?」 「……は?」 「ぶはっ!! 強化ガラス! 似合う~!! あははは!」 「ちょ、早苗ねぇさん…ぶふふ…笑っちゃ悪いっすよ~♪」 「う、うっさいわね! アクリルよりマシよ!」 「なんですって!?」「なんだとー!?」 こんな風にして内容があるんだかないんだかわからない話でグダグダと盛り上がり始めた。あの娘はガラスだのアクリルだの勝手に決めていく。 最終的に礼子さんと志乃さんにはルビーの靴が似合いそうだなんて結論を出したりして、初めの趣旨からズレてきてることもわからなくなった頃、お店から出る時間になった。 続きを読む