転載元 : http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1497912451/ 1 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/06/20(火) 07:47:31.86 ID:4vbah+GRo P(それが、俺の前から姿を消す前に菜々が残した……最後の言葉だった……) 2 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/06/20(火) 07:48:25.47 ID:4vbah+GRo 「とうさん、いきなり重いモノローグから始めるのはどうかと思うよ」 P「あ、ああ……すまんな息子よ」 P「いや、なんだ……その、もうすぐ一年になるかと思って……つい、な」 息子「一年……おかあさんが、居なくなってから?」 P「ああ……」 P「まったく、どこで何をしているのやら」 娘「おかあさん……もう、このまま帰ってこないの?」 P「そんな事ないよ、きっと帰ってくるさ」 3 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/06/20(火) 07:49:14.39 ID:4vbah+GRo P(もう、一年前になるのか……) P(あの時菜々は、役所に行くと言って出かけていった) P(子供が産まれたから、出生届を提出するためだったはずだが……) P(しかし、菜々は戻らなかった) P(すぐに警察に届け出て調査してもらったが、どういうわけか役所どころか、自宅近隣の防犯カメラにさえ姿が映っていなかった) P(まるで……我が家を出たと同時に、この世から消えてしまったかのように……) P(子供のことを見ておく必要があったとはいえ、何故菜々に着いて行かなかったのかと──) P(あれ以来、後悔しなかった日は無い……) 4 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/06/20(火) 07:50:06.09 ID:4vbah+GRo P「それじゃ、父さんは仕事に行ってくるから、良い子にしているんだぞ?」 娘「……」ギュッ P「?」 P「p菜、どうした? 離してくれないと父さん遅刻してしまうよ」 娘「……わたしもおとうさんについてく」 P「え……? 付いてくるって……事務所に?」 娘「……うん」 P「えぇ……?」 息子「あれだよ、とうさんがおかあさんの話するから、さみしくなっちゃったんだよ」 P「……」 P(そうか……この子たちも、寂しいか……) P(普段から聞き分けがいいから忘れていたが──) P(そうだよな……本当なら、母親を一番必要とする時期だもんな) P「それじゃ二人とも、お利口にしていられるか?」 娘「うん!」 息子「連れて行ってくれるの?」 P「ああ、ちょっと待っててな」 P(保育所と、ちひろさんに連絡しておかないと……) 続きを読む