転載元 : http://viper.2ch.sc/test/read.cgi/news4vip/1495109817/ 1 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/05/18(木) 21:16:57.240 ID:SC0ZLkla0.net -ラフィエルの家- タプリス「前から思っていましたが、白羽先輩のお部屋って」 タプリス「本がたくさんありますよね……」 ラフィエル「ほとんどが天界の実家から持ってきたものなんですけど」 ラフィエル「個人的に好きな本ばかりで、どうしても手放せなくて」 タプリス「あはは、やっぱり自分の好きなものって」 タプリス「手元に置いておきたいですよね」 ラフィエル「ええ」 タプリス「この本なんか、ずいぶんと古めかしいといいますか」 タプリス「歴史を感じる本ですね」 ラフィエル「ああ、それは錬金術の本ですよ」 タプリス「れんきんじゅつ?」 ラフィエル「はい、素材と素材を釜で調合して、新しい物を作り出す技術のことです」 タプリス「そんな魔法のような技術があるんですね、知りませんでした……」 ラフィエル「私も小さい頃に、その本を見て感動してしまって」 ラフィエル「いろいろ真似ごとをしてみたものです。ですが、才能がなかったみたいで」 ラフィエル「結局、私にはできませんでしたけど」 タプリス「白羽先輩でも、できないことがあるんですね……」 ラフィエル「そうだ、タプちゃん。よかったら、錬金術、試してみませんか?」 タプリス「わたしが錬金術を……ですか?」 2 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/05/18(木) 21:18:31.528 ID:SC0ZLkla0.net ゴポゴポゴポッ ラフィエル「ふぅ、釜の準備はこんな感じですかね」 タプリス「す、すごいです、こんな大きな釜を使うんですね」 タプリス「人がすっぽり入れそうです」 ラフィエル「間違っても、中に入ってはいけませんよ?」 タプリス「あはは……こんな紫色の液体に浸かったら、一生染み付きそうですしね」 ラフィエル「うふふ、それだけなら良いんですけど」ニコッ タプリス「……ッ」 ラフィエル「それでは次に、この混ぜ棒を持ってみてください」 タプリス「は、はい」 ラフィエル「素材は、そうですねぇ。水と……この雑草にしましょう」 タプリス「使う物自体は、割りとありふれたものなんですね」 ラフィエル「ええ、中には滅多に手に入らないものを使うケースもあるみたいですけど」 ラフィエル「今回はお試しですから、これで十分です」 タプリス「わ、わかりました。じゃあ入れますね?」 ポチャン ポチャン ラフィエル「素材をすべて入れたら、ゆっくり大きく円を描くように混ぜてみてください」 タプリス「了解です。ぐーるぐる、ぐーるぐる……」 パァァァァッ ラフィエル「……ッ」 タプリス「なっ!? 釜の中が光って!?」 4 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/05/18(木) 21:20:23.667 ID:SC0ZLkla0.net ラフィエル「す、すごいです、タプちゃん!」 タプリス「えっ、ど、どういうことです?」 ラフィエル「タプちゃんには錬金術の才能があるってことですよ!」 タプリス「そ、そうなんですか? よくわかりませんけど……」 ラフィエル「私ではこのように、素材同士が反応することは、ありませんでしたから」 ラフィエル「さぁ。さっそく中から、出来たものを取り出してみましょう」 タプリス「これはガラスの器ですか? あ、中に緑色の液体が入ってます」 ラフィエル「ええ、その液体は中和剤といって」 ラフィエル「様々な錬金術の調合の基礎となる、調合品なんです」 タプリス「な、なるほど……」 ラフィエル「それにしても、タプちゃんが錬金術を使えるだなんて……」 タプリス「あはは……ただ混ぜただけで、実感がないですが……」 ラフィエル「……私、久しぶりに燃えてきました!」 タプリス「えっ?」 ラフィエル「タ、タプちゃんにお願いがあります」 タプリス「は、はい、なんでしょう」 ラフィエル「私の代わりに……錬金術マスターになってもらえませんか!?」 タプリス「れ、錬金術マスター、ですか?」 ラフィエル「無理を言っているのは承知の上です、しかし……」 ラフィエル「私には叶えたくても、その力がありませんでしたので……」 ラフィエル「ですから、タプちゃんの手で」 ラフィエル「私の子供の頃からの夢を、叶えてもらえないでしょうか」 タプリス「白羽先輩……」 続きを読む