1: 2017/06/10(土) 23:41:24.95 ID:CAP_USER 韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領(64)が就任してから6月10日で1カ月。韓国内で文氏の経済政策はジェインの頭文字をとって「Jノミクス」と呼ばれ始めている。 安倍晋三政権の「アベノミクス」、トランプ米政権の「トランプノミクス」、古くはレーガン米政権の「レーガノミクス」などと、「ノミクス」なるネーミングも手垢にまみれた感があるが、「J」は他の「ノミクス」とは少々性格の異なる経済政策にみえる。 「反省を先にしろ」。文氏は先月26日、所得格差の拡大を招いたとして、韓国の財界に対し、こうかみついた。 文氏は大統領就任後、5年間の任期中に約31万人の公共企業の非正規職員を原則的に全て正規職に転換する方針を掲げた。 これに経営者でつくる「韓国経営者総協会(経総)」の金栄培副会長が「会社の特性や勤労者の個別事情を考慮せずに非正規職はだめだというのは、現実に合わない」と反発したことが、文氏の神経を逆なでしたのだ。 文氏は「経総は非正規職(雇用)による格差拡大を生んだ主要な当事者の一人として責任を感じ、まず真摯(しんし)に自らを振り返り、反省をしなければならない」と批判。 その上で、政府は民間に雇用転換を強制しているわけではないとし、方針を「曲解」した金氏の発言に「遺憾の意」を表明した。 こうした財界との対立も辞さない文氏の姿勢はJノミクスにも色濃く表れている。 文氏の政権公約をみると、経済政策で柱となるのは「雇用拡大」とサムスングループや現代(ヒュンダイ)自動車などの「財閥改革」だ。 韓国の経済成長率は2015、16年が2%台にとどまり、今年4月の失業率は4.2%と過去17年間で最悪の水準を記録。特に29歳以下では11.2%と過去最悪で、低所得者層の勤労所得も昨年から減少を続けている。 こうした状況を改善するため、文氏は公共部門で81万人の雇用を創出し、最低賃金も引き上げると約束した。 財閥と癒着した朴槿恵(パク・クネ)前大統領の罷免などで国民の反財閥機運も盛り上がっており、文氏は「財閥への経済力の集中を防ぐ」と宣言している。 文氏は経済成長に向けて政府の役割拡大が必要だと訴えてきた。政策実現のため財政政策を積極化させると明言。現在、前年比3.5%増のペースで拡大するよう計画されている政府の財政支出を「平均的に7%の増加で拡大を行う」と「大きな政府」指向を鮮明にしている。 韓国メディアの報道によると、財源の確保策としては、富裕層の所得税や法人税の増税などを検討しているという。 Jノミクスをアベノミクスやトランプノミクスと比べると、国内産業の競争力強化という視点が抜け落ちているようにみえる。 安倍政権は産業競争力の強化を重視し、第2次政権誕生時に37%だった法人税の実効税率を18年度には29.74%まで引き下げるほか、国家戦略特区の導入など規制改革にも取り組んできた。 http://www.sankei.com/premium/news/170609/prm1706090006-n1.html http://www.sankei.com/premium/news/170609/prm1706090006-n2.html http://www.sankei.com/premium/news/170609/prm1706090006-n3.html http://www.sankei.com/premium/news/170609/prm1706090006-n4.html (>>2以降に続く) 韓国・ソウルの大統領府で記者会見する文在寅大統領。政権の経済政策は「Jノミクス」と呼ばれ始めている(共同) 雇用の現状を説明する文在寅大統領(AP) Jノミクスでは、サムスングループなどの財閥改革も柱となる(ロイター) 衆院本会議で所信表明演説をする鳩山由紀夫首相。Jノミクスは民主党政権の経済政策に似ているとも指摘される=2009年10月26日 求人情報を見る女性。韓国の雇用情勢は深刻だ=韓国・ソウル(ロイター) 2: 2017/06/10(土) 23:41:44.03 ID:CAP_USER (>>1の続き) トランプ政権も4月に発表した税制改革の概要に、主要国で最高水準にある連邦政府による法人税の税率を現行の35%から15%に引き下げることなどを盛り込んだ。 ムニューシン財務長官は、法人税引き下げの狙いを「米国企業に世界最高の競争力をもたせることだ」と説明した。 文政権は大企業に対する法人税の減免措置などを大幅に削減する案を検討し、一律の引き上げは想定していないようだ。 しかし、主要国では英国も20%の法人税を20年には17%まで引き下げる方針で、Jノミクスは法人税の減税競争の様相を呈している世界の潮流に逆行している印象は否めない。 韓国経済は財閥への依存度が高く、財閥改革も行き過ぎれば、経済の成長を阻害する恐れがある。 中央日報はJノミクスについて「人に対する投資を増やせば個人競争力が高まり、これは雇用創出につながって各家庭の所得が上がるという論理だ」と分析する一方、「『企業』が抜けている」と問題視。 「企業を雇用の主体ではなく改革対象とだけ見ているようで不安だ」とみる財界人が増えていることを伝えている。 Jノミクスはアベノミクスなどよりも、むしろ日本の民主党政権の家計支援に重点を置いた「分配型」の経済政策に似ているようだ。 みずほ総合研究所の高田創チーフエコノミストはJノミクスに関して「『分配』政策重視はばらまき政策の不安を生じさせるし、財閥規制のようなアンチ・ビジネスの政策は09年に日本で誕生した民主党政権を思い出させるものがある」と指摘する。 Jノミクスが「人中心の経済」を打ち出していることも「コンクリートから人へ」を掲げた民主党政権を想起させる。 民主党政権は産業支援を軽視し、経済は低空飛行を続けた。安倍首相はかつて民主党政権の経済政策を「分配ばかりを重視し、経済全体のパイをどう大きくしていくかの発想が十分でなかった」と断じたが、Jノミクスはどうか。 中央日報によると、韓国経済研究院が経済専門家32人を対象に「政府の経済政策の方向」に関して調査したところ、65.6%が今後韓国の経済状況が「多少不況になる」と予想した。理由は「国内投資環境の不備に企業投資の減少および消費不振の悪循環が持続」というのが41.5%。「低成長から抜け出すための政府の構造的な対応策の不十分」が24.4%、「世界経済回復の不確実性の増加」が14.6%だった。 専門家の先行きを懸念する声が多いことから、韓国経済研究院は「新政府は企業が思い切って新事業に投資できる環境作りと韓国の産業競争力の向上に焦点を合わせる必要がある」と注文をつけた。 Jノミクスはまだ全貌がはっきりしないが、韓国経済にとって「Jノリスク」にならないか気がかりだ。(経済本部 本田誠) (おわり) 続きを読む