374: Mr.名無しさん 04/08/02 02:49 ある日、じーちゃんの最後が唐突にやってきた。 末期の癌だった。 手の施しようがなかった。 医者にさえ、「何も出来ない」と見放された。 それでもじーちゃんは元気にご飯を食べていた。 身体中に転移した癌を抱えていながら、いつものように口うるさかった。 「お前がしっかりしないと!」 最後まで激を飛ばされた。 375: Mr.名無しさん 04/08/02 02:53 「家の事は心配しないで治療に専念してくれ」 そのたった一言が言えなかった。 「俺はいい孫だった?」 それだけのことが聞けなかった。 しばらくするとじーちゃんは意識不明になった。 2度と話が出来ない状態になった。 377: Mr.名無しさん 04/08/02 02:56 俺は毎晩徹夜でじーちゃんを見ていた。 目を見開き、口を開けたままなのに何も言わないじーちゃんを一晩中 見ていた。 意識はないが、「生きている」という状態だった。 「そんなにがんばらなくていいから」 俺は何度もじーちゃんにそう言った。 続きを読む