転載元 : http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/internet/14562/1495636474/ 1: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/05/24(水) 23:34:34 ID:n506ERUg 「はぁ……」 店内の視線は一ヶ所に集まっていた。 カウンター席。数分前に来店したその絶世の美少女に。 腰まで伸びた漆黒の黒髪、背は高めだが芸術の世界から飛び出てきたかのような完璧すぎるスタイル。 それでいて、どこか幼さを残している顔立ち。 年は17、8といったところだろうか。 あと数年もすれば人類で彼女より美しい女性はいなくなる、店の客たちは本気でそう考えていた。 2: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/05/24(水) 23:35:27 ID:n506ERUg 男性陣は誰もが声を掛けようと機会を伺っているようで、けれどそれができずにいるのは、今までこんな美しい少女を見たのが初めてだったからだろう。 周囲の目が釘付けになっていることも気にせず、少女はカウンターに座ると同時に、憂いだ表情で溜め息をついた。 ここは酒場だ。 だが、絵画の世界の住人と評されたその美少女は、周囲の予想に反してただのホットミルクを注文した。 酒場のカウンターに座る美しい女性とミルクという、アンバランス極まりない光景が更に独特な空気を形成する。 要は浮いているのだ。 3: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/05/24(水) 23:35:50 ID:n506ERUg この国では15歳を過ぎれば飲酒を許される。 そして彼女はどう見ても15を過ぎているのだから、酒場にいることは不思議なことではなかった。 手にしているのがホットミルクでなければ。 続きを読む