転載元 : http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1492619109/ 1: か ◆aDRXZRX9R2 2017/04/20(木) 01:25:10.10 ID:Vm/jiIAUo 高校を卒業して、天界での修行を経て あれから数年の月日がたった。 出会いと別れを繰り返し、私も少しは天使らしくなっただろうか。 こんな私にも愛する家族が出来た。 もうしばらく下界に降りていない。 親愛なる悪魔たちは元気にしているだろうか。 彼女らも私と同じように魔界で暮らしているはずだ。 今日は何かが起こる気がする。 今日は何かが起こってほしいと願ってしまう。 「ネトゲのイベントがあるんだ」 旦那にはそう告げ、希望を胸に下界へ降り立った。 2: か ◆aDRXZRX9R2 2017/04/20(木) 01:25:39.25 ID:Vm/jiIAUo ◇ 「なんにも変わってないな」 それが数年ぶりの下界の第一印象。 何度も歩いた道のりは今もなお続いている。 折角の下界だ、思い出の場所でも見て回って目一杯懐かしもう。 3: か ◆aDRXZRX9R2 2017/04/20(木) 01:26:16.34 ID:Vm/jiIAUo 学校。 流石に中に入るほどの用事は持ち合わせていなかった。 今は授業中か。 外からでは風になびくカーテンしか見ることは出来なかった。 あんなに面倒だった学校なのに、いざ入れないとなるとどうももどかしい。 4: か ◆aDRXZRX9R2 2017/04/20(木) 01:27:43.62 ID:Vm/jiIAUo 喫茶店。 マスターは一人で経営しているのだろうか。 なんだかんだお世話になったので礼が言いたいが、理由もなく足を踏み入れるのは少し恥ずかしい。 他のところを先に回って、一服をするために足を運ぼう。 ここの営業時間は私が一番よく知っている。 5: か ◆aDRXZRX9R2 2017/04/20(木) 01:28:44.04 ID:Vm/jiIAUo 家。 私が下界にいたころ住んでいた家だ。 ここで、いろいろなことがあった。 ヴィーネが朝起こしに来て、 サターニャと勝負をして、 ラフィエルと一緒にサターニャをいじって。 「明かりは……点いてるな」 そこが、もう私の部屋ではないのだと実感する。 続きを読む