通算79本塁打。今年の高校生の中では、打つ方はズバぬけている。 しかし、守備はどうなのか。プロ入りなら今秋のドラフト1位は間違いないといわれ、最後のセンバツでは2回戦で散った早実(東京)・清宮幸太郎一塁手(3年)のことだ。 清宮は2年前の夏も一塁手だったが、ここまで一塁だけを守ってきたわけではない。 夏の甲子園後は三塁手に挑戦。二塁や遊撃にチャレンジしたという話もある。 2年春には中堅を守り、背番号8で公式戦に出場した。 が、中堅を守っていたときに肩痛を患った影響で、最終的に元の一塁手に落ち着いた。 その一塁守備にしても、今大会のネット裏にいた在京球団のあるスカウトはこう言った。 「2年前の夏と比べても成長しているようには見えない。 初戦の明徳義塾戦では並の一塁手なら捕れた一邪飛を、カメラマン席を気にしたせいなのかどうか、捕球できませんでしたから」 それでもスカウトは打撃に関してのみ美辞麗句を並べているものの、一塁しか守れない高校生を本当にドラフト1位で指名するのか。 「清宮は人気があるだけに微妙ですが、実際問題として難しいかもしれませんね」と、前出のスカウトがこう言った。 「一塁手の高校生の1位指名となると、1年目から3割30本をクリアしたかつての清原並みの打力が必要になる。 いまの清宮にそこまでの力があればともかく、打撃に関してはまだまだ鍛える必要があるのではないか。 高校時代の松井秀喜や筒香(現DeNA)と比べると、下半身の強さやパワーは見劣りしますからね。 結果が出なくても目をつぶって使い続けるだけの余裕や覚悟があるならともかく、 清宮が一人前になるまで我慢できる球団がどれだけあるかは疑問と言わざるを得ません。 プロの一塁は通常、外国人や、守る場所がなくて打つだけの選手のためのポジションですから」 初戦で清宮の早実に敗れたとはいえ、明徳義塾の馬淵監督が清宮について、 「誰でも彼でも松井くんと一緒にするな」と言っているのも、いまの清宮に5打席連続敬遠した当時の松井秀喜ほどの力があるとは見ていないからだろう。 清宮はとにかく打って打ちまくるしかない。 https://news.nifty.com/article/sports/baseball/12136-382474/ 2017年03月28日 09時26分 日刊ゲンダイDIGITAL 続きを読む