海外ツアーの航空券が発券できなくなるなどのトラブルが相次いでいる旅行会社「てるみくらぶ」が27日、東京地裁に破産を申請し、認められた。 負債額は151億円にのぼり、最大9万人となる旅行者へのツアー代金の全額返済は厳しい見通しだ。 ■「てるみくらぶ」が破産手続き 27日、旅行会社「てるみくらぶ」の山田社長が資金繰りの悪化から事業の継続を断念し、東京地裁から破産手続きの開始決定を受けたことを明らかにした。 先週24日から、主催するツアーの航空券が発券できなくなったり、ホテルが予約できていなかったりするトラブルが相次いでいた「てるみくらぶ」。 「てるみくらぶ」の韓国・釜山へのツアーに参加し、27日、帰国した女性は「ホテルの部屋はキャンセルされていました」と話す。 現地に着いたところ「てるみくらぶ」の予約を代行していた韓国の旅行会社はホテルをキャンセルしていたという。 「自分たちは『てるみくらぶ』からのお金をもらっていないから、それは(予約)はできないということで」女性は改めて宿泊費を払って泊まったという。 なぜ、このような事態になってしまったのだろうか。山田社長は「一昨年の春から、新聞広告を打ち出しまして、一言で言うと媒体コストがかかりすぎ、 経費のかかりすぎということで、それが一番の要因だと思っております」と説明、新聞広告が経営を圧迫し、15年の春ごろから経営状態が悪化したという。 そして先週23日、航空券の発券に必要となる国際航空運送協会(=IATA)への支払日に、支払い額、約4億円が用意できず破産申請に至ったという。 しかし、私たちの取材で、それ以前に異変がみられていたことがわかった。 ■「詐欺を働くとかは毛頭ない」 23日の国際航空運送協会(=IATA)への支払いができなくなったとわかったのは前日の22日だったと話した山田社長。 しかし、23日には、メールマガジンを配信。同じ日には新聞に大きな広告を掲載していた。 経営状態が悪いのにもかかわらずお金を集めていたのではという問いかけに対し、山田社長は「まったくそんなことはなくて、とにかくIATAがダメになったとしても、 最後の最後までスポンサーとも掛け合い、銀行さんとも掛け合って、今日このような状態になる、このような結果を招くとまったく考えてもいなかったので」 「詐欺を働くとかそういうことは最初から毛頭考えておりません」と説明した。 「てるみくらぶ」が会見で明らかにした負債額は151億円。このうちすでに旅行代金を支払った一般旅行者、最大で9万人への債務は約100億円にのぼるという。 しかし、日本旅行業協会から支払われる弁済保証金の限度額は1億2000万円で、わずか1%にしかあたらないため、ツアー代金の全額返済は厳しい見通しだ。 ■出国した人は自力で対処を 「てるみくらぶ」は、すでに航空券を受け取っていても、現地で宿泊できないなどのトラブルの可能性があるとして、渡航を控えるよう呼びかけている。 一方で、すでに海外へ出国した人については、自力で対処してもらうしかないとしている。 さらに、社長の経営判断ミスが今回の事態を招いたのかと問われ、山田社長は「はい、まさしくそうでございます」と答えた。 観光庁は、26日の時点で「てるみくらぶ」の客約2500人が38の国と地域に滞在しているとし、安全に帰国できるよう対応を急いでいます。 配信 3/27(月) 19:5 日本テレビ系(NNN) 全文をニュースサイトを読む(動画あり) ※記事一部抜粋しています https://headlines.yahoo.co.jp/videonews/nnn?a=20170327-00000075-nnn-soci 続きを読む