転載元 : http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1488462506/ 1 : ◆U.8lOt6xMsuG 2017/03/02(木) 22:48:27.02 ID:6BM25xCl0 目隠れ大好きです 2 : ◆U.8lOt6xMsuG 2017/03/02(木) 22:49:00.43 ID:6BM25xCl0 文香「栞…ですか?」 P「うん、文香さんにはぴったりだと思って」 そう言うプロデューサーさんの手から私の手へと、一枚の栞が手渡されました。 その真ん中には、白色のきれいな花の絵が描かれています。 文香「この花は…?」 P「あー…ごめん、わからない。文香さんに似合うものをって考えてたからさ、花の種類とかよく調べてなくて…」 文香「そうですか…」 私はそう言いながら、手元にある栞に目を落とします。 そこには白い花が、とてもかわいらしく咲いていました。 3 : ◆U.8lOt6xMsuG 2017/03/02(木) 22:56:09.83 ID:6BM25xCl0 ドラマの撮影が無事に終わったから。 だからこの栞はプレゼント、だと。 P「本当はもっと良いものにしたかったんだけど…いろいろ都合が重なっちゃってね」 文香「いえ…とても、嬉しいです」 「あなたから貰ったものなら、私はどんなものでも。」…と言いかけて、口をつぐみます。 P「それじゃあ、俺はここで。文香さんも疲れがたまってるだろうし、早めにね」 文香「はい、お疲れ様でした」 プロデューサーさんと別れ、一人になった後、急に心臓がバクバクと拍動しました。 先ほど言おうとした言葉。言わずにした言葉。 それは頭の中をぐるぐると駆け、私の顔に熱を帯びさせます。 文香「…」 手元にある栞を見つめ、言葉を落ち着かせます。 あの言葉は、紛れもない本心です。 この栞だって、心の底からいただけて嬉しいと、嘘偽り無く言えます。 ですがまだ、それを声に出してプロデューサーさんに伝える勇気は私にはありません。 文香「…」 栞の花は、美しく。 ただ美しく、咲いています。 続きを読む