1: 2017/03/21(火) 05:49:25.06 ID:CAP_USER 米サンフランシスコ市当局が中国系反日団体による慰安婦像と碑文の設置を承認したことに対し、姉妹都市である大阪市が遺憾の意を伝え、慎重な対応を求める吉村洋文市長名の公開書簡を送る騒動に発展した。 慰安婦問題をめぐっては、日韓両政府が最終的かつ不可逆的解決を確認した平成27(2015)年12月の「日韓合意」があり、米政府も合意を支持している。サ市が設置を承認したのは、私有地に設置する計画だったため、歴史認識は審査の対象外だったからだともいわれる。 しかし、この私有地は像と碑文ごとサ市に寄付される予定だ。両市は今年、姉妹都市提携60周年を迎えるが、新たな「火種」になる可能性もある。 サンフランシスコ市議会が支持決議 大阪市は2月1日付の公開書簡をサンフランシスコ市のエドウィン・M・リー市長宛てに送付した。3度にわたって懸念を表明する同様の書簡を送っていた橋下徹前市長の方針を、平成27年12月に就任した吉村市長が踏襲した形だ。 事の発端は、中国系反日団体が慰安婦を想起させる像の設置をサ市に申請し、2015年7月の市議会で設置を支持する決議案が審議されたことだ。 決議案は、慰安婦を「旧日本軍に誘拐され、強制的に性奴隷にされた推定20万人のアジアと太平洋諸島の女性や少女」として、日本政府が不適切とする「性奴隷」という表現や根拠があいまいな数字を記した上で旧日本軍を批判。市民団体への協力をサ市に促す内容になっていた。 これを知った橋下氏は8月末、「(慰安婦について)日本の事例のみを取り上げることによる矮小(わいしょう)化は世界の問題解決にならない」と懸念を伝える公開書簡をサ市議会宛てに送った。橋下氏は当時、送付の背景について「日本の過去を正当化はしないが、みんなで過去を直視し、女性の人権を守る意味を込めた像にするのなら賛成だ」と語った。 この書簡はサ市議会での審議資料に採用されたが、決議案は結局、9月の議会で採択された。 サ市は中国系、韓国系市民が多いとはいえ、カリフォルニア州の主要都市の一つ。慰安婦像が設置されることの影響は大きい。そこで自民党も動いた。 秋葉賢也前外交部会長が同年12月、サ市を訪れ、市幹部らと会談。行政当局として団体の設置要請に応じないよう働きかけた。秋葉氏によると、市側は慰安婦像設置を支持する決議について「何ら拘束力は持たない」と説明したという。 その後、同年末には日韓両政府が慰安婦問題を不可逆的に解決し、国際社会で非難・批判を控えることで合意した。ただ、サ市での設置を推進するのは中国系団体が中心で、日韓合意に抑止効果があるかどうかは見通せなかった。 私有地に設置し寄贈へ 大阪市とサ市は今年、姉妹都市提携60周年を迎える。 橋下氏は平成25(2013)年、松井一郎大阪府知事とともにサ市訪問を計画していたが、同年5月に先の大戦中の慰安婦について「(当時)慰安婦制度が必要だということは誰にだって分かる」と述べたことで米国内で反発の声が上がり、中止した経緯がある。 橋下氏の跡を継いだ吉村市長は2016年8月、サ市を訪問し、関係修復を図った。それだけに、わずか半年後の17年1月、サ市の担当機関である芸術委員会が慰安婦像のデザインと碑文の内容を承認する見通しになった衝撃は大きく、2月1日付の公開書簡の送付につながった。 芸術委員会は2月6日、碑文の内容を2点修正のうえで正式に承認した。芸術委員会には、設置に反対を唱える200以上の電子メールが寄せられ、大半は日本からだった。 http://www.sankei.com/west/news/170321/wst1703210003-n1.html http://www.sankei.com/west/news/170321/wst1703210003-n2.html http://www.sankei.com/west/news/170321/wst1703210003-n3.html http://www.sankei.com/west/news/170321/wst1703210003-n4.html http://www.sankei.com/west/news/170321/wst1703210003-n5.html (>>2以降に続く) 米サンフランシスコ市に設置される予定の慰安婦像のデザイン(スティーブン・ホワイト氏提供・共同) 2: 2017/03/21(火) 05:49:41.84 ID:CAP_USER (>>1の続き) 承認という判断の背景には、あるカラクリがある。反日中国系団体が慰安婦像を設置しようとしているのは公園などの公的スペースではなく、公園に隣接した私有地なのだ。 サ市では、私有地であっても衆目に触れる場所に彫刻やオブジェなどを設置する場合、景観を害していないか市当局が審査する仕組みになっている。審査はあくまでも芸術的観点で実施され、歴史認識は基本的に審査の対象外とされる。 像と碑文は今秋以降、セント・メリーズ公園に隣接する私有地の展示スペースに設置される予定。設置後、この私有地は像、碑文ごと市に寄贈されることになっているという。つまり、現段階では大阪市がサ市に抗議する理由がないことになる。 研究者間で見解分かれる ここで、サ市の芸術委員会が設置を承認した碑文を改めてみてみる。 英語で「この記念碑は、1931~45年にアジア太平洋の13カ国で婉曲(えんきょく)的に『慰安婦』と呼ばれ、日本軍に性奴隷にされた数十万人の女性や少女の苦しみの証人だ」と書かれている。像は背中合わせに手をつなぐ3人が柱の上に立ち、脇にチマ・チョゴリ姿の女性が立つデザインだ。 吉村市長は2月1日付の公開書簡で「慰安婦像や碑文の設置の動きは(日韓政府による)合意の精神を傷つけるものであり、大変遺憾」と指摘。碑文の内容についても「不確かで一方的な主張をそのまま歴史的事実として記すことは、歴史の直視ではなく日本批判」「両市の交流、果ては日米関係にも悪影響を及ぼすのでは、と懸念している」とつづった。 これに対し、サ市からリー市長名の2月3日付の返答書簡が大阪市に届いた。書簡では「像は民間の資金によるプロジェクト。戦時中の悪行に対する補償と正義の実現に、地域の活動家グループが長年その人生を捧げて取り組んできた」とした。 さらに「歴史はしばしば個人によって解釈が大いに異なるもの」「(像設置の)意図は善意だ」と記しており、大阪市の主張と論点が微妙にずれていることがうかがえる。 いうまでもなく、サ市議会の決議文にある、旧日本軍が「推定20万人」のアジアと太平洋諸島の女性や少女を「誘拐し」、「強制的に性奴隷にした」という記述や、今回の碑文の「日本軍に性奴隷にされた数十万人の女性や少女の苦しみ」という文言は、歴史研究者の間でも見解が分かれる内容だ。 未来志向の関係築けるか 米国ではロサンゼルス近郊にも慰安婦像が設置されており、南部バージニア州などには旧日本軍の慰安婦について記した石碑もある。一方で、韓国系米国人の団体と、ジョージア州アトランタにある「米公民権人権センター」は、慰安婦像をセンターに設置することで今年1月に合意していたが、センターは3月になって一転して設置を認めないことを決めた。 現地メディアは決定の背景に、アトランタの総領事館など日本側からの働きかけがあったと指摘。センターは、敷地内に銅像などの構造物を設置してはならない規則があることが判明したと説明し、「外部の圧力が原因ではない。慰安婦問題の啓発活動は実施する」としている。 大阪市によると、サ市のリー市長は姉妹都市提携60周年を記念し、今年中に大阪を訪れる予定になっている。中国や韓国の団体などが「歴史戦」の一環として、日本をことさらおとしめる意図を込めた慰安婦像の設置というセンシティブな問題を抱えたまま、両市は未来志向の関係を築いていくことができるのだろうか。 (おわり) 続きを読む