1016 名前:おさかなくわえた名無しさん@\(^o^)/[sage] 投稿日:2017/03/18(土) 12:56:10.58 ID:9tJz+rrw.net [1/4] 酪農の話 家族経営の小規模なところから短期契約の中国人何人も雇ってる大規模なところ、 飲食店併設の観光牧場までいろいろ経験したけど一番体力的につらかった牧場での話 とある大規模な酪農家さんで、牛の頭数も500頭越えなのに働いているのは 父母息子と雇われの私四人だけ その理由は搾乳がすべて機械で行われているから 一般的に搾乳はミルカーと呼ばれる機械を人が操作してやるんだけど、牛の乳房消毒したり、 機械を牛に装着したり、乳量を記録したり、牛によって乳房が四個だったり三個だったりするから 個別に対応しないといけないしで、機械といえども人はそれなりに必要 1日で朝夕2回搾乳するのが一般的なんだけど、牛の数が多いと早朝から昼まで搾乳して 終わったと思ったら間髪いれず二回目搾乳スタートとかもざら でもここの酪農家は全てが機械だった 牛が勝手にマシーンの中に入ってレーザーかなんかで牛の乳房の位置を感知して 消毒からなんから全部やってくれる 酪農家の一番メインで手が掛かる搾乳を一切やらなくていい から、家族三人と私で十分まわせたしほかの酪農家さんよりも楽なはずだった 私も機械で搾乳?超ラッキーじゃんみたいなノリで最初はいた でも現実はダントツできつかった 今でもこれを越えるところはない という話なんだけど需要あるのかな…… 1018 名前:おさかなくわえた名無しさん@\(^o^)/[sage] 投稿日:2017/03/18(土) 13:34:24.07 ID:9tJz+rrw.net [2/4] >>1017 レスありがとうございます わたしはフツーのサラリーマン家庭で農業とは無縁で育ったんだけど、 観光牧場で出会った牛に一目惚れして酪農!スローライフ!癒し!のんびり!みたいな、 なめくさった感じで酪農の世界に入りました 農業大学校で酪農勉強して卒業後はとにかくいろいろ経験したかったので、 中規模の酪農家→観光牧場→チーズ職人→大規模の酪農家→中規模の酪農家→ 家族経営の酪農家→観光牧場ってなかんじで転々として今は結婚してパートタイムで 大規模酪農家の子牛のミルクやり係してます 1019 名前:おさかなくわえた名無しさん@\(^o^)/[sage] 投稿日:2017/03/18(土) 13:46:17.72 ID:9tJz+rrw.net [3/4] 続き 搾乳される牛の病気として「乳房炎」ってのがあるんだけど、 これになると牛乳は商品として出荷できなくなるから、病気が完治するまで 普通の牛とは別で搾乳することになる 出荷できないってなっても関係なく牛乳はでるから、抗生物質で治療しながら 最低でも一週間くらいは牛乳を廃棄し続ける で、一般的な酪農家だと毎日人が搾乳のときに牛をみてるから 乳房炎になったらすぐ気づくし治療も早く始められる 最初はわかんないけど経験つめば乳房がいつもよりかたいとか、牛乳の色とか、 搾った感じとかで異変がわかるようになる だけども、すべてを機械でってなると人がいっさい関与しないから機械が関知できない 些細な異変には全く気づけなくなる 機械がこの牛おかしいですよーって教えてくれたときにはもう相当残念な状態になってる で、その相当残念な牛たちは機械ではじかれて搾乳できなくなるから、 手作業で搾乳しながら治療というながれになるんだけどその仕事の担当になったというわけ 1021 名前:おさかなくわえた名無しさん@\(^o^)/[sage] 投稿日:2017/03/18(土) 14:19:22.58 ID:9tJz+rrw.net [4/4] 乳房炎になってるときは重症になればなるほど牛も痛いから搾乳しようとすると 後ろ足の強烈な蹴りをくらう それでも溜まってる悪い牛乳はだしてやらないと治らないから どんなに蹴られても搾ってあげないといけない そこの酪農家にいた治療対象牛たちはそろいもそろって私が経験したなかで 一番やばいやつらばかりだった 乳房炎のせいで乳房はガッチガチにかたまって出てくる牛乳も黄色の膿みたいなやつから 透明の水みたいなしゃばしゃばのものまでいた 牛も、治療=痛いと学習してるから私が治療場に牛を追い込むときから嫌がって凶暴化して 逃走するわ頭突きしてくるわで散々だった 搾乳の機械をつけても瞬殺でけりとばして何度もやり直し そんな感じで機械で全然搾れないのでしまいには手搾りになる 手で搾ってる最中も腕をガッツリ蹴られまくるけど そこでビビってたらなにも終わらないからひたすら耐える 牛乳を出し切った後にやっとこさ抗生物質注入 抗生物質は乳首から直接注入するんだけど、 一番痛い乳首に何かを挿入するって時点でもう無理ゲー しかもガチガチかたまった乳房に薬が行き渡るように注入後にもみほぐす作業もある それを20頭、朝夕毎日やってた もう蹴られても無反応、腕とお腹と足はアザまみれ 顔は蹴られないように守ったww こんだけ治療しても治る気配がなにもない まぁ治療開始が遅いから治らないのは当たり前 雇われの身だから経営者の治療方針には口出しできなかった 半年やって辞めた 次の牧場で、牛に蹴られても表情ひとつ変えず一言も発さない私をみて上司がビビってたwww グダグダになりそうだしめちゃくちゃはしょったのでいちおうこれで終わりです……