「小池知事には、豊洲の『安心』と『安全』をごちゃ混ぜにして不安ばかりを煽り、問題を宙ぶらりんにしてしまった責任があると思う」 ■「とにかく豊洲ありきだった」 「そもそも、築地市場の豊洲への移転は、私が知事に就任した1999年4月の時点で既定路線となっていました。先代の青島(幸男)君からの『引き継ぎ事項』があって、そのなかに豊洲移転に関する項目も含まれていたと思う。都庁の各担当部局には当時の資料が残されているでしょうから、ぜひ確認してもらいたい。 私自身は市場を移すにしても、豊洲のような海沿いの場所に候補地を限定する必要はないと考えていた。たとえば、フランスのパリ郊外には、生鮮食品を扱う市場として世界最大級のランジス市場があって、トラックで運び込んだ海産物を扱っているわけです。 東京にも環状線の沿線に広い土地はあるし、利便性が確保されれば三多摩地区でも構わないんじゃないか。 そう言ったけれど、都庁の各担当部局の職員は『それではダメです』の一点張り。とにかく豊洲ありきだった。 つまり、総合的な判断により豊洲移転への機運は私の就任前に既に整っていたと認識している。 無論、築地市場は老朽化して、冷暖房の整備も覚束ないため衛生面の不安も残る。それに、工期・工費そして、アスベスト問題もある。 市場として存続させるのが好ましくないというのは、全くその通りだと思いました。 そこで、福永正通副知事(当時)が、豊洲の土地を所有する東京ガスとの取得交渉に当たったわけです。彼は温和な性格でね。 ただ、なかなか議論が前に進まなかったようで、リリーフとして濱渦(武生特別秘書、後に副知事)に一任することにしたのです。 私の知事就任当初、都は借金が膨れ上がって財政再建団体に転落寸前。職員の歳費カットが急務だったところ、当時の組合委員長を説得したのが濱渦だった。 実際、この歳費カットが実を結び、3年間で大幅な財政再建を進めることができた。それほどの『タフネゴシエイター』だから、東京ガスとの交渉も彼に委ねたのです。 その結果、豊洲移転を巡る最初の合意にまで漕ぎ着けることができたのでしょう。 その間の交渉内容については、彼に一任していたから微細な報告は受けていません。ただ、確かに土壌の汚染についての議論はあったと記憶しています。 移転関連費を盛り込んだ予算案を巡っては都議会も紛糾して、63対62という僅差で可決された経緯もある。 そのため、都の幹部が『議会の承認が得られたので裁可をお願いします』と言ってきた際、私は『汚染の問題があるようだけど、本当に大丈夫なのか』と尋ねています。 その時、都の幹部は『いまの日本の技術をもってすれば問題ありません』と答えた。 また、ここに来て浮上している『瑕疵担保責任の放棄』については、私も問題だと思う。一般的な不動産の売買契約においても、やはり売り手側の瑕疵担保責任は問われるべきものだから。とはいえ、なぜ免責されるに至ったかについての報告は私まで届いていないし、濱渦も分からないと言う。 そこは都庁の責任で、審議会の記録などを精査して明らかにしてもらいたいと思います」 当初4000億円弱とされた豊洲新市場の整備費用は、およそ6000億円に膨れ上がっている。都政担当記者によれば、「施設の建設費と、土壌汚染対策費が嵩んだことも一因です。 なかでも、石原氏の元秘書が専務執行役員を務める鹿島は多くの工事を受注していた。しかも、その大半で応札率は90%を超えている」。談合疑惑が囁かれたこの件について、石原氏はこう語る。 「元秘書を通じて口利きした事実はありませんし、そんなことができる時代ではない。しかも、施設の入札が行われたのは私が知事を辞職してから」 http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20170226-00518181-shincho-pol http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20170226-00518181-shincho-pol&p=2 続きを読む