転載元 : http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1487005959/ 1: ◆AZbDPlV/MM 2017/02/14(火) 02:12:39.61 ID:HCVLcduP0 Rスレに立てた【ダンガンロンパ】赤松「すごく早いけど、チョコ渡そうかな」【安価】のバレンタイン当日譚です。 今回に繋がる↑を読んでいなくても多分問題ない内容…のはずです。 もしも流れが気になるようでしたら、先に前作の閲覧推奨です。 前作をRに立てていましたが、至って平穏無事に終えていますので、エロ苦手な方にも安心してご覧頂けます。 ※CP要素あり。多分赤最。最赤ではない…はず。 ※紅鮭の選択肢でのみんなの反応的に、最原君は料理にお菓子もつくれちゃう、台所立つ系男子だと勝手に思っているので、そんな設定がくっ付いています。 ●前作● 【ダンガンロンパ】赤松「すごく早いけど、チョコを渡そうかな」【安価】 2: ◆AZbDPlV/MM 2017/02/14(火) 02:14:10.81 ID:HCVLcduP0 今日はバレンタイン。思春期真っ盛りの少年少女が、甘さ100%の期待に胸を高鳴らせているだろう一大イベントの日。 ここにもひとり、想いをよせている少女からチョコを貰えるのではないかと、数日前から心落ち着かない青年がいた。 最原 (今日がバレンタイン…) 目が覚めた青年、最原 終一が第一に考えたのはそれだった。 彼の場合、この年頃ならありがちな、根拠のない自信や思いあがりな期待とは事情がちがう。 最原 (赤松さんに“覚悟してよね”って、宣告された当日だ…) 数日前にバレンタインが近いこともあり、お菓子を作りたくなった最原はなんとなくのノリでカップケーキを作り、数人に配った。しかしその際、最初に渡した人物から、赤松も前日に最原と同じようにチョコを作り、何人かに配っていたのだという話を聴いた。 最原は赤松からチョコをもらえなかったと落胆したが、赤松本人にカップケーキを渡す際、赤松から“覚悟してよね、バレンタイン!!”っと、宣戦布告を受けている。それ故の期待なのだ。 最原 (赤松さんの方はいつもどおりで、僕はといえば、数日前からドキドキしていて、赤松さんどころか、はたからみて変に映ってなかったかな…) 想い人である赤松 楓に話しかけられる度、最原の青い恋心は揺さぶられる。そんな最原の様子は、一部では面白がられ、また一部では暖かく見守られ、また一部では爆発しろと妬まれるなど、それはそれはバレバレであった。 今日までの自分を振り返ってみて恥ずかしさを覚えつつ、洗面台に向かって顔を洗う。 最原 (僕って、結構女々しかったんだな…というか) 最原 (しっかりと“好き”だって言われたワケでもないのに、もう告白された気になってバカみたいじゃないか?!) 誰しもあのような言い方をされれば、自分に好意があるのではと思ってしまうだろう。しかし、赤松が人の心を弄ぶようなことをするとも考え難い。 最原 (あー! もう! 赤松さんに会えば答えは出るんだ!) 最原 (とにかく、朝食を摂りにいこう! よしっ!!) モヤモヤと頭を悩ませていたが、ひとまずそれを取り払うと、身支度を整え食堂へと向かうべく部屋からでる。 部屋をでると、向かい側は女子の部屋になっている。ちょうど、その向かいの階段から誰かが降りてきているようだった。 3: ◆AZbDPlV/MM 2017/02/14(火) 02:15:43.53 ID:HCVLcduP0 最原 「おはよう。春川さん」 春川 「おはよう。最原」 最原の挨拶に答えたのは春川 魔姫。件のチョコについて情報をくれたのは春川だ。 その春川は、最原の顔をみた途端、眉を顰めた。 春川 「なに……その微妙な表情は」 最原 「え」 春川 「最初に出会ったのが私でツイてないとか、そんなところ? 赤松じゃなくて悪かったね」 春川が眉を顰めたのは、最原の表情が浮かないものだったからだ。朝一番に出会った人物が浮かない顔をしているというのは、こちらの気分もよろしくない。 しかし、最原はまったくの無意識のことだったので、春川の言葉に戸惑う。 最原 「違う! そんなつもりじゃないよ!!」 春川 「じゃあなに」 最原 「いや…今日バレンタインだから……ちょっと…」 春川 「……赤松からチョコもらえるのか、悩んでるってこと…?」 合点がついた春川は呆れつつ嘆息する。 春川 「あんたって、女々しいんだね」 最原 「……自分でも思ってるよ」 自覚はしているし、冷ややかな春川の視線も当然なのだが、はっきり言われてしまうと胸に突き刺さる。 春川 「あんたがカップケーキ配った日から、赤松が隠す気もなくあんたにアピールしてて」 春川 「あんたはなんか逆にぎこちなくなっててさ…おかしくない?」 最原 「ぅぐうっ!!」 視線と語気も鋭い春川の口撃に、グサリという擬音が頭の中で響いて、胸がぎゅうっと縮こまるように痛む。 続きを読む