転載元 : http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1484649613/ 1: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/01/17(火) 19:40:14.28 ID:uVTtUoYmo 私はとても後悔しました。 事の始まりは大学選抜チームに勝利した記念で行われた祝賀会。 祝賀会と言いながらも実際は愛里寿ちゃんを交えた戦車道選手たちの懇親会でした。 その中でケイさん発案の『プレゼント交換タイム』なるイベントが始まり、みんなが持ち寄った贈り物を交換しました。 大洗でしか使えない食券10枚だったり、干し芋三日分だったり、結婚情報誌だったり、プラモデルの江戸城だったり。 全部個性溢れるものであり、みんなは一喜一憂して盛り上がりを見せました。 私は運よく愛里寿ちゃんがもってきてくれた、ボコの期間限定ぬいぐるみを手に入れることができました。 嬉しさのあまり、思わず愛里寿ちゃんの手を強く握ってしまったほどです。 愛里寿ちゃんがかなり驚いていたので、反省しないと。 自分の幸運に浸っているとき、優花里さんが近づいてきたのです。 「西住殿、見てください。ナオミ殿のプレゼントが当たりました」 優花里さんは笑顔でそれを見せてくれました。 それは紛れもなく首輪。 何故、プレゼントに首輪なのか疑問でしたが、他にも奇抜なものはあったし、特段首輪がおかしなものであるという意識はありませんでした。 「いいでしょ、それ。それを付けるだけでワイルドになれるわ」 後にナオミさんがそう説明してくれたのですが、そんなことにはなりませんでした。 このとき私がもっと首輪に対して疑念を抱いていれば、あんなことにはならなかったはずなのに。 2: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/01/17(火) 19:54:31.10 ID:uVTtUoYmo それからしばらくして、あの日は楽しい思い出に変わりつつあったとき、夜にとあるテレビ番組を偶然みてしまいます。 ボコの特集と銘打たれた番組だったので急いで録画しました。 どうやら島田家がスポンサーとなり閉館を免れたボコミュージアムを取材するといった内容のようです。 ボコミュージアムの魅力が余すところなく紹介されていて、私のボルテージは上がり続けます。 正直なところ、戦車に乗っているときよりも興奮していたかもしれません。 最近、ボコのことを紹介してくれる雑誌もテレビ番組も激減していたので仕方のないことですが。 番組も終盤に差し掛かった頃、ボコミュージアム内にて新作のボコが売り出されるという情報が流れました。 テレビに映し出されたのはシルエットのみでしたが、その影を見る限り、私が知っている既存のボコではないことは明確に判断できました。 これは欲しい。絶対に欲しい。 抽選で100名様にプレゼントという文言を目にした瞬間、宛先をメモし、部屋にあるハガキをかき集めて応募要項を記入。 番組終了直後、計13枚のハガキをポストに投函しました。 冷静になってみれば自分でもちょっと異常かなとは思いますが、それでも新作のボコは手に入れたい。 もしかしたら愛里寿ちゃんに頼めば貰えるかもしれないけれど、そんなことは頼めない。 自分の手で、手に入れないとボコに怒られてしまうから。 当たったら何をしようかなんてことを考えつつ、その日はベッドへ。 しかし、一週間待っても、二週間待っても、新作のボコが届くことはありませんでした。 どうやら100人の中に入ることはできなかったようです。 愛里寿ちゃんのプレゼントが当たったのだから、それ以上の幸運を求めるのは贅沢すぎるし、プレゼントに縋ることはやめよう。 なので私は日曜日に沙織さんたちを誘ってボコミュージアムに向かいました。 3: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/01/17(火) 20:05:29.26 ID:uVTtUoYmo 改装が行われたようで、最初に来た時よりも全てが眩く輝いていました。 生ボコの動きのキレだって見違えるほど良くなっています。 「みぽりん、早くいこーよ」 沙織さんの声で我に返り、急いでショップの中へ。 本日最大の作戦、新作のボコぐるみ入手作戦を成功させなければ。 華さん、麻子さん、優花里さんも一緒になって棚という棚を見て回ります。 「みほさん、カゴがいっぱいになっていますよ?」 華さんの指摘で手にあったカゴを見てみると、そこにはいつの間にか大量のボコグッズが。 誰が、一体、何のために……。 「それ、自分で入れたからな」 あ、そうなんだ。 麻子さんも若干、呆れてしまっているみたい。ごめんなさい。ついつい、夢中になっちゃって。 「別にいいんだが、手持ちのお金は足りるのか?」 「ええと、一応5万円は用意したからなんとかなると思うな」 少し足りないかなと思っていたけど、麻子さんの反応を見る限り多すぎたみたい。 「流石、西住殿ですぅ。備えあれば憂いなし、ですもんね。より良い装備で戦闘に臨まなくては、一流とは言えません」 優花里さん、ありがとう。そこまで褒めてくれるのは優花里さんだけのような気がする。 続きを読む